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生け贄企業
第1章 生け贄企業
「まあいいわ…この際だから、藤高さんのご主人のことをボロクソ言わしてもらおわい…藤高さんは職場で部下にパワハラセクハラを繰り返していた…新卒の面接の時にはシューカツの学生さんにオワハラをしまくっていた…だから大事な家族を殺されてしまったのよ…オーッホッホッホッ…」

となり近所の奥さまは、藤高さんのことをボロクソに言うたあと、高飛車嗤い(タカビーわらい)をした。

臨子は、タカビーわらいをしている近所の奥さまに『やめてください!!』と叫んでからこう言うた。

「奥さま!!あんまりですわ!!やめてください!!」
「オーッホッホッホッ、なにがやめてくださいかしらねぇ…バカじゃないの!?オーッホッホッホッ…」
「奥さま!!どうして藤高さんのことをボロクソに言いまくるのですか!?あんまりですわ!!」
「オーッホッホッホッ、あんたらはどこのどこまでわかっていないのかしらねぇ…」
「奥さま!!」
「あんたこそ、義弟さんに悪いことをしていたことに気がつきなさいよ…工場見学に行った時に現地の人の話を聞かずにソッケツで義弟さんの就職を決めた…そのことが原因で家出した…そして帰らなくなった…あんたらはそのことにまったく気がついていないわねぇ…オーッホッホッホッ…」

となり近所の奥さまは、臨子が傷つく言葉を言いまくるだけ言いまくったあと、より強烈なタカビーわらいで臨子をイカクした。

「帰ってください!!」

臨子は、となり近所の奥さまを両手でつきとばしたあと、より強い力を込めて玄関のドアをしめた。

(ドカッ…バーン!!)

臨子は、玄関のドアをしめたあと、身体の力が抜けてその場に座り込んだ。

となり近所の奥さまは…

どこのどこまで、人をグロウしているのかしら…

藤高さんの家が深い悲しみに包まれている時に…

キズをほじくるようなことせんといてくれるかしらねぇ…
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