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スカーレット オーク
第54章 54 セレナーデで夕飯を
二人でテーブルに着くと和夫が席にやってきた。
「やあ。緋紗ちゃんよく来たなあ」
「こんばんは。お久しぶりです」
「ゆっくりしてってくれよ。またな」
忙しい時間帯なので和夫はバタバタと厨房へ行ってしまった。
「二人とも緋紗に会えてうれしそうだね」
「私も嬉しいです」
――こんなに歓迎してもらえるなんて。
緋紗は久しぶりのペンションを眺める。
「木に囲まれるっていいですね。直樹さんの仕事場はもっと素敵でしょうね」
「そうだね」
直樹はなんとなく寂しげに微笑んだ。――ん?
少し気になったが小夜子がグラスワインを一つ運んできたのでそのままにした。
「直君は運転だもんね。これ緋紗ちゃんにサービスね」
「ああ。すみません。ありがとうございます」
「ごゆっくり」
夏のディナーは夏野菜がふんだんに使われたカラフルな料理が多い。
また金目鯛の押し寿司など伊豆まで行かないと食べられないものもあった。
客は四組程あってペンションは相変わらず賑わっているが残念なことにピアノの演奏はない。
「しばらくピアノはなしですね」
緋紗は小さな声で言った。
「うん。たまにバイトで弾ける人を募集してるんだけどイマイチ進まないらしいよ。小夜子さんの好みがうるさくてね」
「そうなんですか。難しいもんですね。じゃあ直樹さんのピアノは合格なんですね」
「さあね」
「やあ。緋紗ちゃんよく来たなあ」
「こんばんは。お久しぶりです」
「ゆっくりしてってくれよ。またな」
忙しい時間帯なので和夫はバタバタと厨房へ行ってしまった。
「二人とも緋紗に会えてうれしそうだね」
「私も嬉しいです」
――こんなに歓迎してもらえるなんて。
緋紗は久しぶりのペンションを眺める。
「木に囲まれるっていいですね。直樹さんの仕事場はもっと素敵でしょうね」
「そうだね」
直樹はなんとなく寂しげに微笑んだ。――ん?
少し気になったが小夜子がグラスワインを一つ運んできたのでそのままにした。
「直君は運転だもんね。これ緋紗ちゃんにサービスね」
「ああ。すみません。ありがとうございます」
「ごゆっくり」
夏のディナーは夏野菜がふんだんに使われたカラフルな料理が多い。
また金目鯛の押し寿司など伊豆まで行かないと食べられないものもあった。
客は四組程あってペンションは相変わらず賑わっているが残念なことにピアノの演奏はない。
「しばらくピアノはなしですね」
緋紗は小さな声で言った。
「うん。たまにバイトで弾ける人を募集してるんだけどイマイチ進まないらしいよ。小夜子さんの好みがうるさくてね」
「そうなんですか。難しいもんですね。じゃあ直樹さんのピアノは合格なんですね」
「さあね」