この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
スカーレット オーク
第57章 57 滝と女豹
家を出て裏側に回り小さな獣道のようなところに出た。
少しだけ草が刈ってあって人が一人通れる細道だ。
「切れるような草はないから大丈夫だと思うけど、一応気を付けて」
「はい」
三分ほど歩くと小さくゴォーという滝の音が聞こえてくる。
「滝……ですか?」
「うん。小さい滝壺があるんだよ」
「そこで泳ぐんですか。人が来るんじゃ」
「誰も来ないよ。観光から外れてるしね」
話しているうちに滝が見えてきた。
有名な滝とは違って高さもあまりなく滝壺も径が数メートルで深さも二メートル程度だ。
「夏に良くここで泳いでるんだ。静かでいい場所だよ」
緋紗は流れ落ちる滝を見ていた。
「泳げる?」
「え。ああ。得意な方じゃないですけど一応泳げます」
「緋紗は走るのが得意そうだもんね。ちょっと筋とか伸ばして」
直樹がそういうと緋紗もアキレス腱やら肩やらを回し始める。
「眼鏡外して」
「はい」
手を引いて水辺に連れていく。
「冷たい!」
「滝の水はちょっと冷たいかな。ゆっくりおいで」
「先に行っててください。もうちょっと慣らします」
滝の水は慣れないと冷たい。
「うん。僕は泳いでるよ」
直樹はゆっくりと水に沈んでいった。――冷たいな。
水の中で身体を伸ばしてからゆっくり浮上し、ゆるゆる泳いで浮かび空をみた。
少しずつ緋紗が水に入ってくる。――一気に入っちゃえばいいのに。
くすっと笑って緋紗をみた。
「早くおいでよ」
そばに行って抱き寄せてそのまま泳ぐ。
「きゃあ」
「力入れないで」
冷たさに慣れてきたのか泳ぎ始めた。
「こっちおいで」
「待って」
少しだけ草が刈ってあって人が一人通れる細道だ。
「切れるような草はないから大丈夫だと思うけど、一応気を付けて」
「はい」
三分ほど歩くと小さくゴォーという滝の音が聞こえてくる。
「滝……ですか?」
「うん。小さい滝壺があるんだよ」
「そこで泳ぐんですか。人が来るんじゃ」
「誰も来ないよ。観光から外れてるしね」
話しているうちに滝が見えてきた。
有名な滝とは違って高さもあまりなく滝壺も径が数メートルで深さも二メートル程度だ。
「夏に良くここで泳いでるんだ。静かでいい場所だよ」
緋紗は流れ落ちる滝を見ていた。
「泳げる?」
「え。ああ。得意な方じゃないですけど一応泳げます」
「緋紗は走るのが得意そうだもんね。ちょっと筋とか伸ばして」
直樹がそういうと緋紗もアキレス腱やら肩やらを回し始める。
「眼鏡外して」
「はい」
手を引いて水辺に連れていく。
「冷たい!」
「滝の水はちょっと冷たいかな。ゆっくりおいで」
「先に行っててください。もうちょっと慣らします」
滝の水は慣れないと冷たい。
「うん。僕は泳いでるよ」
直樹はゆっくりと水に沈んでいった。――冷たいな。
水の中で身体を伸ばしてからゆっくり浮上し、ゆるゆる泳いで浮かび空をみた。
少しずつ緋紗が水に入ってくる。――一気に入っちゃえばいいのに。
くすっと笑って緋紗をみた。
「早くおいでよ」
そばに行って抱き寄せてそのまま泳ぐ。
「きゃあ」
「力入れないで」
冷たさに慣れてきたのか泳ぎ始めた。
「こっちおいで」
「待って」