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スカーレット オーク
第6章 6 大友家

食卓には新鮮なマグロの刺身が並んでいる。
「今日はごちそうだね」
直樹が言うと、「いただきものよ」と、早苗がさらっと言った。
「飲むか?」
颯介が聞きながらもうすでに焼酎を注いでいた。
「ああ、うん」
「ほらいただきましょうよ」
母の慶子が促した。
直樹は母と二人暮らしだ。
父は去年他界し、兄夫婦は歩いて十分の距離に住んでいる。
それほど行ったり来たりはしないが週末は常に兄夫婦が聖乃を連れて来、賑やかな食卓を囲む。
聖乃が刺身に手を出そうとしている。
「あら。お刺身なんか食べられるの?」
慶子が少し皿をひっこめた。
「そうですねえ。もう一歳だから生魚いけると思うんですけどねえ」
早苗は食べさせたいようだったが颯介が反対した。
「だめだめ。おなか壊したらどうするんですかねえ。きよのちゃん」
娘に対する過保護っぷりにみんな辟易する。あんなに遊び人でチャラチャラしていた颯介からは想像もつかなかった。
「じゃあ一歳半にね」
早苗はヤレヤレというように聖乃の口へマグロの角煮を放り込んでやった。
聖乃は目を細め口をすぼませ、もぐもぐと口をせわしなく動かしている。
「今日はごちそうだね」
直樹が言うと、「いただきものよ」と、早苗がさらっと言った。
「飲むか?」
颯介が聞きながらもうすでに焼酎を注いでいた。
「ああ、うん」
「ほらいただきましょうよ」
母の慶子が促した。
直樹は母と二人暮らしだ。
父は去年他界し、兄夫婦は歩いて十分の距離に住んでいる。
それほど行ったり来たりはしないが週末は常に兄夫婦が聖乃を連れて来、賑やかな食卓を囲む。
聖乃が刺身に手を出そうとしている。
「あら。お刺身なんか食べられるの?」
慶子が少し皿をひっこめた。
「そうですねえ。もう一歳だから生魚いけると思うんですけどねえ」
早苗は食べさせたいようだったが颯介が反対した。
「だめだめ。おなか壊したらどうするんですかねえ。きよのちゃん」
娘に対する過保護っぷりにみんな辟易する。あんなに遊び人でチャラチャラしていた颯介からは想像もつかなかった。
「じゃあ一歳半にね」
早苗はヤレヤレというように聖乃の口へマグロの角煮を放り込んでやった。
聖乃は目を細め口をすぼませ、もぐもぐと口をせわしなく動かしている。

