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スカーレット オーク
第10章 10 ラブホテル
後ろから、「ベッドに行こうか」 と、低いかすれたような声で囁かれ緋紗はうなずいた。
大友が先に上がってバスタオルを持ってきたが、緋紗は地面がグラグラしているような気がしてしっかり立てなかった。

「のぼせたかな」

 大友が緋紗にバスタオルを巻きつけてベッドへ運び、水を飲ませると彼女は身体を起こした。

「大丈夫?のぼせた?」
「いえ、大丈夫です。ちょっとぼーっとしただけです」

 単に気持ちよくなっただけと言うのは恥ずかしかった。

「顔も赤いし少し休もうか」

 緋紗の髪を拭く大友の優しい態度に嬉しくなる反面、身体の逞しさや情事の激しさを思い返して興奮してくる。

「もう大丈夫です」
「そう。よかった」
 
 なんだか改まってしまって、ここから進むのが難しく感じた。緋紗がもじもじしていると、「キスしていい?」 と、訊ねられた。

「どうぞ」

 いきなりで間抜けな答えをしてしまったことに気恥ずかしさを感じているところへ、大友が唇を重ねてきた。
とても優しい恋人のようなキス。
ゆっくり優しく唇を吸われる。
大友はいったん唇を離して緋紗の腰を引き寄せベッドに寝かせた。
もう一度唇を重ねてくる。
唇を吸われてうっとりしてきたところに大友の舌が忍び込み絡め合わせて吸われる。甘い蜜のような味がするキスに緋紗は夢中になってきた。
緋紗も大友の唇を吸い舌を吸う。
これだけでもう全身快感に包まれていくようだ。
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