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スカーレット オーク
第17章 17 ペンション『セレナーデ』

「大丈夫ですよ。ひさはそこらへんの男より使えると思います」
笑いながら直樹はペンションのほうへ向きを変えた。
「そういうことじゃなくてねー」
小夜子はやれやれという表情でまた和夫の顔を見た。
「あいつ、ほんとマイペースだよなあ。まあいいや。じゃ明日から手伝ってもらおうかな。今日はうちのペンションの案内とか仕事の説明とか直樹にしてもらってよ」
「はい」
心配そうな表情の緋紗に小夜子がフォローするように、「ひさちゃん、心配しないでいいのよ。さきに直君に泊まる部屋に連れて行ってもらってね。ああ、お昼ご飯まだなんでしょう?あとで食堂へいらっしゃいな」歌うようなふんわりとした様子で言われて少し緋紗は落ち着いた。
直樹が、「ひさ、おいで」というのでぺこりと二人に頭を下げてついて行った。
和夫と小夜子は、「いつの間にあんな娘できてたのかしらねえ。静岡の娘って感じじゃないわよね」
「あいつのプライベートは謎だからなあ」と、久しぶりに起こった事件のように話し合っていた。
駐車場から少し歩くとペンションの全容が見られる。
「うわーすごい。ログハウスだー。大きいー」
「このログハウスはね。オーナーの手作りなんだよ」
「へえー」
どっしりとした丸太小屋で重厚な雰囲気があるが、日当たりがよく明るいので温かみを感じることができる。
周りにはモミの木が植えられており少しだけオーナメントが飾りつけられていた。
それらがこのペンションを異国のような童話の世界のような雰囲気を醸し出している。
「ここが玄関だけど、今回はお客じゃないから裏口から出入りするね」
「はい。了解です」
階段の前にペンションの木製の看板が立てられている。
手彫りで浮き出ている文字を読んだ。
「『ペンション セレナーデ』」――セレナーデ……。小夜曲。奥さんの名前かなあ。
建物の右側に周ると屋根がないが高い柵で覆われた場所がある。
「ここが温泉だよ。晴れているときは綺麗な星空が見えるよ」
「そうなんですか」
「カップルのお楽しみだね」
緋紗はさっと顔を赤らめたが直樹には何気ない会話のようだ。
笑いながら直樹はペンションのほうへ向きを変えた。
「そういうことじゃなくてねー」
小夜子はやれやれという表情でまた和夫の顔を見た。
「あいつ、ほんとマイペースだよなあ。まあいいや。じゃ明日から手伝ってもらおうかな。今日はうちのペンションの案内とか仕事の説明とか直樹にしてもらってよ」
「はい」
心配そうな表情の緋紗に小夜子がフォローするように、「ひさちゃん、心配しないでいいのよ。さきに直君に泊まる部屋に連れて行ってもらってね。ああ、お昼ご飯まだなんでしょう?あとで食堂へいらっしゃいな」歌うようなふんわりとした様子で言われて少し緋紗は落ち着いた。
直樹が、「ひさ、おいで」というのでぺこりと二人に頭を下げてついて行った。
和夫と小夜子は、「いつの間にあんな娘できてたのかしらねえ。静岡の娘って感じじゃないわよね」
「あいつのプライベートは謎だからなあ」と、久しぶりに起こった事件のように話し合っていた。
駐車場から少し歩くとペンションの全容が見られる。
「うわーすごい。ログハウスだー。大きいー」
「このログハウスはね。オーナーの手作りなんだよ」
「へえー」
どっしりとした丸太小屋で重厚な雰囲気があるが、日当たりがよく明るいので温かみを感じることができる。
周りにはモミの木が植えられており少しだけオーナメントが飾りつけられていた。
それらがこのペンションを異国のような童話の世界のような雰囲気を醸し出している。
「ここが玄関だけど、今回はお客じゃないから裏口から出入りするね」
「はい。了解です」
階段の前にペンションの木製の看板が立てられている。
手彫りで浮き出ている文字を読んだ。
「『ペンション セレナーデ』」――セレナーデ……。小夜曲。奥さんの名前かなあ。
建物の右側に周ると屋根がないが高い柵で覆われた場所がある。
「ここが温泉だよ。晴れているときは綺麗な星空が見えるよ」
「そうなんですか」
「カップルのお楽しみだね」
緋紗はさっと顔を赤らめたが直樹には何気ない会話のようだ。

