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スカーレット オーク
第17章 17 ペンション『セレナーデ』
「じゃ一階の案内をするよ。さっきの厨房はもういいね」
「はい」
玄関の方へ歩くとさっきは階段で見えなかったが大きな暖炉があった。
「ここがロビーだよ」
「暖炉、本当に使ってるんですか」
「うん。僕が薪割りしてるんだよ」
少しだけ火種が残っているようだった。
本格的に火をつけるのは客が来る夕方以降なのだろう。
「こっちがお風呂。ここは男女別。一応お客さんの入浴時間は十七時から二十時が主だけど、僕たちは二十一時以降だね」
「わかりました」
「外の温泉はもちろんいつ入ってもいいけどね。冬に夜中はきついかな。夏なんかはカップルが夜中に入ってるけどね」
笑いながらいう直樹に緋紗は返答に詰まった。
「そこの部屋がオーナーたちの部屋」
前を素通りして玄関前にやってきた。
「ここがフロントだね。そこの小さなショップの会計もここでやるんだ。レジ使える?」
「はい。なんとか」
少し土産物を眺めてみる。
特産物らしいものが少しとお菓子、そしてオーナーの手作りらしい湯呑があった。
「可愛らしいものを作るんですねえ」
いかつい和夫から想像しにくかったが、陶芸家は案外自分の容姿とかけ離れたものを作ることを緋紗は知っていた。
「だね。無骨ものそうなのにね」
くすりと笑いながら直樹は歩いた。――結構言うんだ。
「はい」
玄関の方へ歩くとさっきは階段で見えなかったが大きな暖炉があった。
「ここがロビーだよ」
「暖炉、本当に使ってるんですか」
「うん。僕が薪割りしてるんだよ」
少しだけ火種が残っているようだった。
本格的に火をつけるのは客が来る夕方以降なのだろう。
「こっちがお風呂。ここは男女別。一応お客さんの入浴時間は十七時から二十時が主だけど、僕たちは二十一時以降だね」
「わかりました」
「外の温泉はもちろんいつ入ってもいいけどね。冬に夜中はきついかな。夏なんかはカップルが夜中に入ってるけどね」
笑いながらいう直樹に緋紗は返答に詰まった。
「そこの部屋がオーナーたちの部屋」
前を素通りして玄関前にやってきた。
「ここがフロントだね。そこの小さなショップの会計もここでやるんだ。レジ使える?」
「はい。なんとか」
少し土産物を眺めてみる。
特産物らしいものが少しとお菓子、そしてオーナーの手作りらしい湯呑があった。
「可愛らしいものを作るんですねえ」
いかつい和夫から想像しにくかったが、陶芸家は案外自分の容姿とかけ離れたものを作ることを緋紗は知っていた。
「だね。無骨ものそうなのにね」
くすりと笑いながら直樹は歩いた。――結構言うんだ。