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第57章 ３日目(28)

「おい……使用人……アマの姿をちゃんと見ろよ。お前が世話してきたお嬢様だろ？　せっかく大人になったんだから、お前がそれをちゃんと見てやらないでどうするんだ？」
孫野健一が、そう言うとガッチリした男、小太りの男、背の低い男はニヤニヤと笑った。

「き……木崎を……木崎を笑わないで……」
ノアは、震える声で叫んだ。

「お……お嬢……あ！！」
小太りの男と、背の低い男は両脇を抱えていた手を離した。
そして、木崎はそのまま床に崩れ落ちた。

「使用人……情けねえな……抱えてやらないと、立ってられねえのかよ……」
小太りの男が、そう言って木崎を罵る。
「き……木崎……」

「お嬢様……」
木崎は力のない目でノアを見た。
そしてすぐに俯く。

「感動の再会って感じだが、感動の再会のためにここまで連れてきたわけじゃねえんだぞ……アマ……使用人……」

孫野健一は冷たく言い放つ。
「な……なにを……なにを……」
「アマ……使用人を連れてきたんだから、やることは一つだろ？　使用人のイチモツを慰めてやれよ」

ニヤリと笑う孫野健一。
ノアは、思わず木崎を見つめた。

「お……お嬢様……言うこと聞く必要は……」
「使用人……お嬢様がどうなってもいいのか？　口挟むんじゃねえよ！！　それにお前だって、お嬢様に慰めてもらいたいだろ？」

木崎は、そう言われて悔しそうに唇を噛んだ。
「木崎……」

「アマ……どうした？　やれねえのか？　俺らのを慰めるよりも、今までお世話してくれた使用人のを慰める方がよっぽどいいだろ？」

木崎をまた見つめるノア。
ノアの脳裡には、木崎と過ごしてきた思い出が、走馬灯のように甦る。