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旧公爵令嬢 漆原ノア〜恥辱の3日間
第69章 エピローグ2
「だ……誰だ?」
源太は、小柄な男に向かって言った。
「着いたようですね……ご当主様……」
電話の声の主がそう呟いた。
「僕……僕は孫野様の使者として来たんだよ」
玄関にいる男がそう言った。
『孫野……』
その名前を聞いて、最悪の想像が想像ではなかったことを実感した。
「お……お前は……孫野……孫野健一か?」
「ま……孫野健一……」
セレナもその名前を口ずさんだ。
「そうだよ。漆原源太……」
「あ!! うんん……」
また女の嬌声が聞こえてきた。
「い……今さら……今さら何の用だ……」
必死に冷静さを保とうとする源太……。
しかし、電話先の孫野健一は容赦なく、そのギリギリ保っていた気持ちを吹っ飛ばす。
「何の用? あんたが探してる探し物は、今ここにあると言えばお分かりかな?」
「の……ノアが…ノアが……そこにいるのか?」
「あ……あなた……」
不安そうな目で、セレナは源太を見つめる。
「そういうことだな……お父様……」
鼻で笑う孫野健一……。
「な……なにが、お父様だ!! む……娘を……娘を返せ!!」
「お父様……まあそんなに、怒らないでくださいよ。もともと、お宅のお嬢様と、私は婚約してたのですからね。それも、あなたが決めたことですよ。お父様……」
源太は何も言い返せなかった。
確かに、一度婚約を決めたのは源太だったからだ。
「そ……その話は……娘が……」
「そうですよ。あなたの娘さん……ノアお嬢様が一方的に破棄したんですよ。こんな屈辱、こんな理不尽なことはありますか? お父様……」
源太は、小柄な男に向かって言った。
「着いたようですね……ご当主様……」
電話の声の主がそう呟いた。
「僕……僕は孫野様の使者として来たんだよ」
玄関にいる男がそう言った。
『孫野……』
その名前を聞いて、最悪の想像が想像ではなかったことを実感した。
「お……お前は……孫野……孫野健一か?」
「ま……孫野健一……」
セレナもその名前を口ずさんだ。
「そうだよ。漆原源太……」
「あ!! うんん……」
また女の嬌声が聞こえてきた。
「い……今さら……今さら何の用だ……」
必死に冷静さを保とうとする源太……。
しかし、電話先の孫野健一は容赦なく、そのギリギリ保っていた気持ちを吹っ飛ばす。
「何の用? あんたが探してる探し物は、今ここにあると言えばお分かりかな?」
「の……ノアが…ノアが……そこにいるのか?」
「あ……あなた……」
不安そうな目で、セレナは源太を見つめる。
「そういうことだな……お父様……」
鼻で笑う孫野健一……。
「な……なにが、お父様だ!! む……娘を……娘を返せ!!」
「お父様……まあそんなに、怒らないでくださいよ。もともと、お宅のお嬢様と、私は婚約してたのですからね。それも、あなたが決めたことですよ。お父様……」
源太は何も言い返せなかった。
確かに、一度婚約を決めたのは源太だったからだ。
「そ……その話は……娘が……」
「そうですよ。あなたの娘さん……ノアお嬢様が一方的に破棄したんですよ。こんな屈辱、こんな理不尽なことはありますか? お父様……」