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Backside storys
第1章 小鳥遊 真紀
異動してきたのは井上くんと言って、歳は今年誕生日が来たら28になるらしい。私より4つ年下やな。けど背も高いし、顔もシュッとしたえらい男前で。さぞかしモテるやろうなぁと思ったらまぁ神戸の女の子のけたたましい事。
きゃあきゃあ言いながら肩を叩きあって。そりゃまぁこんな男前が事務所に居ったら目の保養になるわな、ため息をついた。

仕事の引き継ぎがあるから何かと一緒に動くことも多くて、お昼を一緒に食べたりしながら色々話もした。
男前やのにお高くとまってるわけでもなく、素直な男の子やった。

日々の仕事に追われてあっという間に寒くなり、コートのいる時期になって。

歳を取るとホントに1日1日の過ぎるのが早い。

あれ、もう月末?と思ってたら次の月になって、気づいたら中盤に差し掛かってて、と思ってるうちにまた月末がやって来る感じ。

そんで、12月になって。あぁ、そういえばクリスマスやなぁ…三連休…どうするんかなぁ…泊まり、やっぱ無理かなぁ…どっかで1日くらいデートはできるかな…大阪とかのイルミネーション観に行きたいなぁ…

地元に住んでると、ダダ混みのルミナリエに対する執着はもはやない。阪神大震災の追悼として始まった催しやから、お金を落とすことも大事なんやろうけど…もはや本来の趣旨なんて誰か覚えてんの?と疑いたくなるくらいのお祭り騒ぎの人混みにはうんざりする。
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