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第1章 小鳥遊　真紀

クリスマスのちょっと前の週末。彼の予定を確認したら、浮かん顔で、今週末は元嫁と娘に会う予定があって….と言われた。日曜日が、娘さんの誕生日らしい。

なんだかんだいうても娘は可愛くて、父親らしい顔見せてやりたいんや、と言われたら、我儘も言えず。

ま、そういうことなら仕方ない、せいぜい良いパパしておいで！と納得した。週末に独りなんて別に珍しいこともない、のに。彼が家族と過ごす、となるとなんとなく寂しいものがあって。家で独りでおるのもつまらんし、気分変えてみようかな！
…美容院行って、興味だけはあったネイル、してみようか？うん、クリスマス前に髪も爪も綺麗とか、ちょっといいかも！

そうと決まればどこでしよう？携帯で、ネイルのサイトを検索しながら、口コミやら施術サンプルの画像を見る。営業職やからあんまり派手なデザインはNG。
手が綺麗に見えるのがいいなぁ。
ネイリストさんと差し向かいで喋るのに話の合わん若すぎるコはパス…けどネイリストがいっぱいいてるトコやと最初ってどうなんやろ。いきなりベテラン指名とかできんのかな？
よくシステムがわからんかったから、結局、口コミの良かった個人の自宅サロンにした。予約もネットでも出来たけど、声を聞いてみたくて電話してみたら、ドライブモードの自動音声が聞こえて。諦めてあとでネットでしよ、と思ったら1時間くらいしてから折り返しの電話がかかってきた。接客中で出られなくて…という電話の感じがすごく良かったから、そこに決めた。