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Backside storys
第1章 小鳥遊 真紀
考えてみれば、彼は自分から名乗ったわけじゃない。
タオルの袋に、この名刺があったから、私が勝手に貝塚隆文やと思って、次にあったときに貝塚さんと呼んだ。
電話番号も貝塚隆文で登録してるし、免許証とか、見る機会もなかった。旅行も、予約が要る店にご飯を食べに行くこともないし…そもそも普通の店で名前を伝えるくらいなら、幾らでも偽名なんか使える。

名刺を見て、直ぐに今日あった貝塚さんと顔がリンクするくらいの知り合いなら、気づいた。
私が気づかんかったから。
本物の貝塚隆文を知らんかったから、堂々となりすました…ってほどでもないくらい、彼は自分の事を多く語ってない…

社会人が、営業職の人間は特に、メッセージカード替わりにいつも持ってる名刺を使う事はよくある。それさえ出せば、自分が何処の何者なのか、説明せんでいいから。個人的に連絡がとりたければ、携帯電話でも書き足しとけば会社に電話することもない。

他人の名刺を使う訳がない、という、思い込み…

携帯に電話をかけても、家族や知り合いの前でハイ貝塚です、と偽名を名乗る必要もない…私からの電話ならハイ、とか俺、とか、そんな言葉で会話は成立する…平日の夜に会うから、彼が帰った後、電話を掛けることもなくて、彼が家族の前で私の電話を受ける、なんて状況もほぼなかったし…

結局、彼のことは、貝塚隆文じゃない、てこと以外、何も分からんまま。

昨日衝動で撮った写真と、離婚してなかったんやね、さようなら、と打ち込んだメッセージを、彼の携帯に送った…

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