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Backside storys
第1章 小鳥遊 真紀
「井上くん、優しいね…」
ぽつりと呟いた。
「えぇ。女性には」
オンナ限定て…思わずプッとふき出した。
「私のことオンナ扱いしてくれんのなんか井上くんだけやわ。」
女の子なんやから、短大でええんちゃう?という親の反対を押し切って、四大に行かせてもらった。倍かかった学費を惜しくないと思わせるには、一般職じゃなく、総合職でバリバリ働いたんねん!と息巻いて、営業になったけど、ウチの会社は女性の総合職はまだ少ない。仕事するのに女も男も関係ないやろ、と肩肘張って働いて、馬鹿にされんようになったのは、ほんと、ここ2、3年…数字という結果が出てからのこと。それでも、成績が良ければ裏でオンナのくせに、と陰口を言われる。
「そんなことないですよ。女性として見られてないと思うなら、ソレは、まぁ、仕事の同志として認めてるか、小鳥遊さんの営業力に嫉妬してるだけだと思いますよ。小鳥遊さんは、充分可愛いです。まぁ年下に可愛いなんて言われても、嬉しくないかもしれませんけど」
このコはホンマに…素直なコやなぁ…風当たりの強さはただの嫉妬や、って…誰かに言って欲しかった、そんな言葉をサラッと言うてくれる…
「そんなことないよ。ありがとう。」
「何が、あったんですか」
井上くんになら…話してもえぇかな…私が井上くんの立場やったら、きっと聞いたりせぇへん。聞いたトコロで、はぁ?気づかんかったん、ただのアホやん、と一蹴して終わるテの話や…でも、このコなら、バカにせずに聞いてくれるかも…なんて、思ってしまった。
ぽつりと呟いた。
「えぇ。女性には」
オンナ限定て…思わずプッとふき出した。
「私のことオンナ扱いしてくれんのなんか井上くんだけやわ。」
女の子なんやから、短大でええんちゃう?という親の反対を押し切って、四大に行かせてもらった。倍かかった学費を惜しくないと思わせるには、一般職じゃなく、総合職でバリバリ働いたんねん!と息巻いて、営業になったけど、ウチの会社は女性の総合職はまだ少ない。仕事するのに女も男も関係ないやろ、と肩肘張って働いて、馬鹿にされんようになったのは、ほんと、ここ2、3年…数字という結果が出てからのこと。それでも、成績が良ければ裏でオンナのくせに、と陰口を言われる。
「そんなことないですよ。女性として見られてないと思うなら、ソレは、まぁ、仕事の同志として認めてるか、小鳥遊さんの営業力に嫉妬してるだけだと思いますよ。小鳥遊さんは、充分可愛いです。まぁ年下に可愛いなんて言われても、嬉しくないかもしれませんけど」
このコはホンマに…素直なコやなぁ…風当たりの強さはただの嫉妬や、って…誰かに言って欲しかった、そんな言葉をサラッと言うてくれる…
「そんなことないよ。ありがとう。」
「何が、あったんですか」
井上くんになら…話してもえぇかな…私が井上くんの立場やったら、きっと聞いたりせぇへん。聞いたトコロで、はぁ?気づかんかったん、ただのアホやん、と一蹴して終わるテの話や…でも、このコなら、バカにせずに聞いてくれるかも…なんて、思ってしまった。