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Backside storys
第1章 小鳥遊 真紀
「1人で抱え込むの、辛いでしょう?話すと、スッキリしますよ。」

オトコがオンナをホテルに連れ込むなんて、目的はひとつしかないと思ってた…
ただ…話を聞くためだけに…?
バーとか、人目があるところじゃなく、敢えて選んだ、ってこと…?
驚きすぎて目がまん丸になった。
涙が頬を伝う感覚がある。

私はぐいっと涙を拭い、

「ありがと。じゃあ、そうさせてもらう。」

と、答えた。

部屋に入ったけど、座れそうなトコロはベッドしかなくて、端っこに腰掛けた。
そしたら井上くんは、隣には来ず、少し離れたところにあるドレッサーのスツールを引き寄せて座った。

かと思うと、直ぐに椅子から立ち上がり、小さいサイズのタオルを水で濡らして持ってきた。

「目、冷やした方が。腫れますよ。」

「井上くん、ほんま優しいなぁ。」

私は微笑んで、タオルを受け取った。
少し顎を上げて、おしぼりサイズのタオルを閉じた瞼の上に乗せる。
ひんやりとした感触と、真っ暗になった視界…
気持ちいい…


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