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Backside storys
第1章 小鳥遊 真紀
恋…かぁ…そんな感じでも、なかったな…そもそも、彼の何が好きやったんやろ…顔。うん、顔は好みのタイプやったな。声も。セックスも、悪くはなかったし…一緒に居ってラクやったな…ホンマ、既婚者でさえなければ。それが大前提やったんやけど…好き、とか、未練があるとかより、ただただ、残念…先に、出会われへんかったコトが…けど、先に出会ったのが私やったとしたって、彼は結局、誰か他所にオンナを作る人なんやろう。バレん程度のゲームを楽しむ、オンナの敵。私は彼に復讐する事は出来んし、今となってはそんなつもりもないけど、いつかバチが当たるといい、と思う。私だけやない、過去にも未来にも、彼に泣かさせるオンナはおるんやろう、と思うから…て自分だけが被害者やと思いたくないだけ、かな…なんて考えてたら、

「そんなズルい男に、縋ったりしないでください。貴女を見てるオトコが他にいます。」

「え…?」

顔を上げて井上くんを見たら、そのまま額にそっとキスされる。

「ここに。」

「年下だし、頼りないけど、でも、泣かしたりしません。精一杯、大事にします。ーーー好きです。真紀さん。」

考えてみたら、彼に好きなんて、一回も言われた事ない…私も言うてないけど…なんか、こんな恥ずかしかったっけ…そもそも好きなんて面と向かって言うたり言われたりしたのなんか…何年ぶりやろ…恥ずかしい…でも、なんか、嬉しい…

「甘えても、ええんかな…」

「はい。俺も、甘えたい。でも。俺にも甘えてほしい。我儘もたくさん言ってください。頑張ります。だから、俺と付き合って下さい。」

「井上くんとなら、恋、できるかな。」

「いっぱい、楽しい事しましょう。デートしたり、いちゃいちゃしたり。俺、いっぱいしたいです。恋、しましょうよ?まだそんな年寄りじゃないっすよ。」

ぎゅうっと抱きしめられて、私もそっと胸に頭を預ける。

さぁ、コレからたっぷり楽しませて貰うで?
井上クン?



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