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Backside storys
第3章 龍沢 玲司
秋に入り、暖房が入り始める頃、寒造りが始まる。
蔵の繁忙期のスタートだ。
機械を導入してシステマチックにしている反面、イチバン大事にしてるのは職人の経験と勘、ていうのが難しいけど面白い。

酒の原料になる米も、麹や醪も、その日の天気や気温、肌に感じる湿度で、微調整しないといけない繊細なモノで。特に麹には他の菌が混ざらないように、細心の注意を払う。納豆菌が少しでも着くと、麹がダメになる、と言って、寒造りの時期は蔵に入る人間以外も、家族中全員納豆食っちゃダメとかどんだけ繊細だよ、て思う。社長ん家の食卓に、毎日やたら納豆が出る、と思ったら、秋あたりからぱったり出なくなって、その理由を聞いて驚いた。

そのそれぞれの状態を、掻き混ぜた感覚、匂い、味、だけで調整していくなんて、職人技ってこういうことか、と感動しかなかったし、皆カッコよかった。

春になり、新酒を瓶詰めしたのを、爺さんに送ってやりたい、と言ったら、そうしてやりなさい、と言われて。発送準備をしてた時、俺に電話が入った。
爺さんが倒れて、入院したという知らせだった。
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