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Backside storys
第3章 龍沢 玲司
ウチからは歩いて5分程度の店だけど、涼香ちゃんを帰すとしたら徒歩20分はかかるから、帰りはタクシー拾って乗せてやればいいか、と思ってた。

けど、こんな状態で1人でタクシーに乗せるのも酷かな…酔いがまわって気持ち悪くなるかもしれないし、車の乗り降りやら家に入るまでの石畳は結構凹凸してるから、こんなハイヒールで、ふらついて転んだりしたら危ないし…

しょうがない、ある程度酔いが醒めるまで、どっかで座るか…
この辺は呑み屋が多いから、酔いを醒ますのに使えそうなカフェとかはない。駅のほうに行けばあるけどこの時間じゃ閉まってる…
さて、どうするか…しばらくバス停のベンチに座ってみたものの、蚊に喰われて俺は首筋を叩いた。

手にはしっかり俺の血を吸ったデカい蚊が貼り付いていて。
そりゃこんな酒臭い息吐き散らしてたら蚊だってよってくるわ…
涼香ちゃんも喰われたのか、痒い、と呟いて二の腕を掻いた。

あぁ、そんな真っ白な二の腕に跡残ったら勿体ない…そう思って改めて隣を見ると、ワンピースの袖口から覗く二の腕は本当に柔らかそうで…蚊じゃなくたって美味そうだと思う。内側のふっくらした部分は、そのまま胸に通じる質感だ、って聞いたことあって、生地に覆われた膨らみもこんな柔らかいのか…と、思うと、思わず生唾を飲みそうになった。
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