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Backside storys
第3章 龍沢 玲司
「子供の頃から、運動会はギリギリ来てくれるけど、それ以降冬の間はどこにも行けなかった。お正月に旅行したりする友達を羨ましく思ったこともあるわ。だけど、それでもお父さんがサラリーマンだったらよかったなんて一度も思った事ない!お爺ちゃんやお父さんの仕事を誇りに思ってるし、守りたい、支えたいと思ってる!」

この子は…俺が付き合ってきた、フツーの女のコじゃない…根っから蔵の仕事が好きで、誇りを持ってる。こんなに家業に愛情持って、守りたいなんて堂々と言えるコ、見たことない…何より酒強すぎだろ…酔ってフラついてたんじゃなかったのかよ…

「いい加減な付き合いするわけにいかないから…異性として見ないようにセーブしてたのに…」

「真剣な交際をして。遊ばれるのは私も嫌。」

「…涼香ちゃん、全然酔ってないじゃないか…」

「あのくらいで酔えるほど可愛いオンナじゃないの。ザルなオンナは嫌?」

しっかりした目で見上げてくる、不敵な笑顔は、計算尽くの小悪魔なんかじゃない。コレはもう、女神級の強さだ。
…据え膳どころか、自分から口に飛び込んできた。そこまでされて流石に吐き出すワケにゃいかんよなぁ…

「上等。」

そのまま、グッと抱きしめる。

「後悔してももう遅いからな。」

「後悔するくらいなら、男性の部屋にのこのこ付いて来たりしないわ」

「…流石だな。カッコいい。」

「褒めてるの?それ。」

「最上級に。」

顎を軽く支え、キスをする。勿論それだけで終わらせるつもりなんかサラサラない。コレから始めるための助走に過ぎない。けど涼香ちゃんは大胆で。自分から舌を入れてくる。深いキスを繰り返して、漸く唇を離すと、チュ…という音が余韻を残す。ココがホテルならそのままベッドに倒れ込む、んだけど。流石にワンルームのペラペラのカーペットじゃ、背中痛いわな…

「ちょっと待って、布団敷く…」

座卓を壁に立て掛けて、押入れを開け、下段から布団を引っ張り出し、広げて敷いた。この準備してる時間て割りと醒めるんだよな…と思ったけど、涼香ちゃんは気にしない風で、布団にストンと座り、プチプチとワンピースのボタンを開けた。

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