この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
独占欲に捕らわれて*Regret
第5章 平穏へ
ファミレスを出たふたりは、ショッピングモールで買い物を楽しみながらSDカードをあちこちにばらまいた。服屋の更衣室、トイレ、本や雑誌の間、小物の中……。思いつく限りの場所に隠して回り、休憩がてら映画を観ることになった。洋画のラブロマンスを堪能すると、喫茶店に入った。
「ロマンス映画なんて初めて観たけど、すごく面白かったわ。今まで恋愛に興味なかったから毛嫌いしてたけど、もっとはやくに観てればよかった……」
「あっはは、それなら今度、DVD借りてこよっか。チサちゃんが好きそうなロマンス映画、教えたげる」
ふたりが映画の話に花を咲かせていると、隣の席が騒がしくなる。

「おいこれ見てみろよ。ヤバくね?」
「速報? ……は? ヤッバ……。てか、こんなのどこで入手したんだよ」
「さーな。てか、この様子だと黒川コーポレーションも潰れんじゃね?」
「ま、自業自得っしょ」
ふたりの若者は、それぞれ動画を流しながらヤバいヤバいと騒ぐ。隣と言ってもそれなりに離れているためちゃんと聞き取れないが、聞こえてくるのは例の音声だというのはなんとなく分かる。

「さっそく誰かアップロードしてくれたみたいだね」
紅玲は声をひそめながら、イタズラっ子のような笑みを浮かべる。
「そうみたいね。残りのSDカード、どうする?」
「チサちゃんのはあと何枚残ってる?」
ポーチを出して数えてみると、SDカードは残り4枚だ。

「4枚よ」
「オレもそれくらいかな。じゃあふらっと散歩しながら帰ろっか。帰りはコンビニでスイーツでも買ってさ」
「あなたがコンビニスイーツを買いたがるなんて珍しいわね」
「たまにはね。今日はとことん手抜きしようと思って」
「ふふっ、そうね。いつも頑張ってるんだから、いいと思う」
千聖が笑いかけると、店員が注文していたものを運んできた。ふたりは紅茶を甘味を楽しみながら、周囲の人々が黒川コーポレーションの話で盛り上がるのを聞いてニヤけるのを我慢する。
/123ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ