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独占欲に捕らわれて*Regret
第5章 平穏へ
「この会社以外にもいくつか抜けそうね」
「名前の通り真っ黒な奴の下にいたらイメージも悪いからねぇ」
いつものように余裕のある笑みで言い終えると、紅玲は途端に真面目腐った顔をする。
「あのさ、チサちゃん……。おっきなワガママ言っていい?」
「これ以上どんなワガママがあるのかしら?」
千聖は冗談めかして言う。大企業の破綻を手伝わされたのだ、それ以上に驚くようなことがあるとは思えない。

「今夜、父さんのとこに泊まりに行こうと思ってるんだけどいいかな?」
「なんだ、そんなこと。もちろんいいわよ。お義父さまによろしく言っといて」
「ありがと、チサちゃん。今日は特別、これで優奈ちゃんと美味しいもの食べてきなよ」
紅玲は財布から2万円出して千聖に握らせると、彼女の額にキスをして立ち上がった。
「お泊まりって何持ってけばいいんだっけ?」
紅玲は楽しげに言いながら、自室に戻る。

「さてと、私もお言葉に甘えようかしら」
千聖は優奈に電話をかけながら、どの居酒屋に行こうかと思考を巡らせた。

着替えなどをカバンにまとめた紅玲は、千聖に行ってきますのキスをすると車に乗って晶久に電話をかける。ずっと紅玲からの連絡を待っていたのか、ワンコールで出た。
「もしもし父さん? 今からそっちに泊まりに行くね」
『いきなり何を言うかと思えば……。構わないが話を聞かせてもらうぞ』
呆れながらも泊まる許可をもらい、紅玲の頬が自然と緩む。
「あっはは、分かってるって。ねぇ、夕飯は食べた?」
『いや、まだだが……』
「じゃあなんか買ってくるから、何も食べないで待ってて」
晶久の返事を聞かずに電話を切ると、車を走らせた。

途中で寄り道しながら晶久がいるウィークリーマンションに着いたのは夜8時近くのこと。インターホンを押すと、複雑そうな表情の晶久が出迎えてくれる。
「父さんほど仏頂面が似合う人、そうはいないよねぇ」
「来て早々嫌味か……」
「褒めてるんだよ。台所借りるよ」
晶久の返事も聞かず、紅玲は買ってきた食材をいくつか冷蔵庫に入れ、調理を始める。調理中、紅玲も晶久も無言を貫いた。それでもぎこちなさなどはなく、ゆったりした時間が流れていった。
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