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第5章 平穏へ

千聖はローターのコードを持ち、ゆっくり下へと動かしていく。耳から首筋、乳首、脇腹へと這わせれば、紅玲は更なる快楽を求めてローターの接触部分を上げていく。どんなに擦りつけようとしても宙ぶらりんのローターは紅玲が望む刺激を与えることはなく、重力に従って彼の躯の上から滑り落ちてしまう。その度に千聖がローターを躯にのせ、再び這わせていく。
「あっ、もうやだ……んんっ！ ね、お願い……。強くあてて……」
「ダメよ」
へそ周りを這っていたローターが離れたと思ったら、コードがペニスに巻き付けられる。肝心のローターはアナルに当たり、ついに開発されてしまうのかと腹をくくった。

「んうぅ……！ やだ、これやだぁ！ チサちゃん、これ取って……んあっ、もう……触って……」
「そうね、そろそろ触ってあげるわ」
ようやく触ってもらえることに歓喜するのもつかの間、乳首を思いっきり吸い上げられ、もう片方の乳首は捏ねくり回される。肝心のペニスは相変わらずコードから伝わる弱い刺激のみで、先走りがみっともなく垂れ流れている。

「ひゃうぅ！？ ああぁっ！ チサ、ちゃん……、んんぅっ、乳首じゃなくて、あんっ、ペニス……、そっち、触ってぇ！」
「あら、男のくせに随分と上品な言い方するのね。この先走りをだらだら垂らしたデカチンポに触ってほしいの？」
千聖はペニスを掴むと、下に引っ張って手を離した。先走りを飛び散らしながら自分の下腹にペニスがぶつかり、それだけで感じてしまう。
「ああぁっ！ お願い、チサちゃん……。チンポ、触って……。シゴいて射精させてよ……」
「嫌よ」
バッサリ切り捨てるように言うと、紅玲のペニスにコンドームをつけてまたがる。既に愛液で濡れたヴァギナで擦られ、紅玲は悩ましげな吐息を零す。

「そろそろ顔を見てあげるわ」
目隠しを外せば瞳を潤わせ、口端から涎を垂れ流しながら物欲しそうにしている。いつもの余裕のある笑みが消えたマゾの顔に、千聖はうっとりする。
「とっても可愛いわ、紅玲。そんな顔されたら、もっといじめたくなっちゃう」
そう言ってクリップローターを玩具箱から出し、紅玲の乳首を挟んだ。