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独占欲に捕らわれて*Regret
第5章 平穏へ
「お水も、まだあるわよ」
千聖はグラスに水を注ぎ、紅玲の手に握らせる。紅玲はひと口飲むと、グラスを置いて千聖を抱き寄せた。
「はぁ……ホントごめん、色々と……」
「もう怒ってないわよ」
優しく微笑む千聖に、紅玲は首を横に振る。
「いつも自分が寂しい思いしたらあんなに嫉妬するのに、チサちゃんに同じ思いさせちゃったのは本当に申し訳ないよ。あと……」
紅玲は言葉を区切ると、気まずそうに目を伏せる。
「あと?」
「今度からもう少し加減しようと思う。セックスで気絶した後って、こんなにだるいんだね……」
紅玲がしみじみ言うと、千聖は吹き出した。何故彼女が笑っているのか分からずに顔を覗き込むと、千聖は涙が出るほど笑い転げた。
「……何がそんなにおかしいわけ?」
「だって、そんな反省してると思わなかったんだもの。別に加減なんていらないわ。それだけ紅玲に愛されてるってことだもの。そんなことより、質問いい?」
千聖は涙を拭いながら言うと、真っ黒に染められた紅玲の髪に触れながら言う。
「なんでもどうぞ」
どんな質問をされるのか予想がついた紅玲は、飴玉をカラコロ転がしながら頷いた。
「その髪はどうしたの? それと、ピアスも。すっかり真面目な青年になっちゃって」
「長年続いてた反抗期が、ようやく終わったってこと。父さんに更生させてもらったんだよ。それともチサちゃんは、グレてるオレの方が好き?」
「いいえ、今の紅玲も充分魅力的よ。それに私は、外見じゃなくて内面に好かれたの。外見で言えば論外だったって、紅玲が1番知ってるでしょ?」
微笑みながら言う千聖に、無理やり連れてこられた合コンで千聖と出会った時のことを思い出す。紅玲は初めて彼女を見た時にこの人しかいないと思っていたが、千聖は徹底的に紅玲を嫌い、どんな質問にもまともに答えず、途中で帰ってしまった。
「あっはは、そういえばそうだったねぇ。懐かしいなぁ」
懐かしさに目を細めていると、着信音が和やかな雰囲気をぶち壊す。着信音からして千聖のスマホだ。内心舌打ちをする紅玲をよそに、千聖は電話に出る。
千聖はグラスに水を注ぎ、紅玲の手に握らせる。紅玲はひと口飲むと、グラスを置いて千聖を抱き寄せた。
「はぁ……ホントごめん、色々と……」
「もう怒ってないわよ」
優しく微笑む千聖に、紅玲は首を横に振る。
「いつも自分が寂しい思いしたらあんなに嫉妬するのに、チサちゃんに同じ思いさせちゃったのは本当に申し訳ないよ。あと……」
紅玲は言葉を区切ると、気まずそうに目を伏せる。
「あと?」
「今度からもう少し加減しようと思う。セックスで気絶した後って、こんなにだるいんだね……」
紅玲がしみじみ言うと、千聖は吹き出した。何故彼女が笑っているのか分からずに顔を覗き込むと、千聖は涙が出るほど笑い転げた。
「……何がそんなにおかしいわけ?」
「だって、そんな反省してると思わなかったんだもの。別に加減なんていらないわ。それだけ紅玲に愛されてるってことだもの。そんなことより、質問いい?」
千聖は涙を拭いながら言うと、真っ黒に染められた紅玲の髪に触れながら言う。
「なんでもどうぞ」
どんな質問をされるのか予想がついた紅玲は、飴玉をカラコロ転がしながら頷いた。
「その髪はどうしたの? それと、ピアスも。すっかり真面目な青年になっちゃって」
「長年続いてた反抗期が、ようやく終わったってこと。父さんに更生させてもらったんだよ。それともチサちゃんは、グレてるオレの方が好き?」
「いいえ、今の紅玲も充分魅力的よ。それに私は、外見じゃなくて内面に好かれたの。外見で言えば論外だったって、紅玲が1番知ってるでしょ?」
微笑みながら言う千聖に、無理やり連れてこられた合コンで千聖と出会った時のことを思い出す。紅玲は初めて彼女を見た時にこの人しかいないと思っていたが、千聖は徹底的に紅玲を嫌い、どんな質問にもまともに答えず、途中で帰ってしまった。
「あっはは、そういえばそうだったねぇ。懐かしいなぁ」
懐かしさに目を細めていると、着信音が和やかな雰囲気をぶち壊す。着信音からして千聖のスマホだ。内心舌打ちをする紅玲をよそに、千聖は電話に出る。