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独占欲に捕らわれて*Regret
第2章 紅玲の憂鬱
「助けに来たんだから、これくらいはねぇ。借金はどことどこにしてあるの? 几帳面な父さんのことだから、ノートかなにかにまとめてると思うんだけど」
「あぁ、お前の言う通りまとめてある」
晶久は立ち上がると、襖を開けて1冊のノートを引っ張り出した。紅玲はノートを受け取ると、全体にざっくり目を通してノートを閉じる。
「会社が会社だから、すごい額だね。父さんひとりじゃ返せそうにないでしょ?」
紅玲の鋭い指摘に、晶久は言葉を詰まらせる。
「ところでどうして父さんが会社の借金背負ってるわけ? 普通は法人と社長個人は別だから、払う必要ないでしょ?」
「本来はそうなんだが、俺は会社の保証人だったからな……
晶久の言葉に紅玲は頭を抱え、晶久は申し訳なさそうに俯く。
「あの……法人とか社長個人とか、どういうこと……?」
今まで黙って聞いていた千聖が、言いづらそうに質問を投げかける。
「法人っていうのは会社そのもののことだよ。社長個人と法人は別人だから、法人である会社が借金を背負っても、個人である社長が返す必要はないんだ」
「えぇと……、つまり、会社の借金は、社長から見たら他人の借金と同じってこと?」
「そういうこと。さすがチサちゃん、理解するのがはやいね」
紅玲は嬉しそうに千聖の頭を撫でる。
(お義父さまの前だっていうのに……)
千聖がやんわりと手をどかすと、紅玲は残念そうにちゃぶ台にひじをつく。
「ちなみに今回の場合、父さんが会社の保証人になっちゃってるから、返済義務が父さんの方に行っちゃってる……。しかも何故か闇金にまで手を出してるから、自己破産もできない」
「ありがとう、よく分かったわ」
「どういたしまして。で、どうして闇金に手を出しちゃったわけ? 父さんらしくもない」
「あぁ、それはだな……」
晶久は口ごもりながら言うと、気まずそうに咳払いをする。
「お前から100万円もらっただろう? あれでFXをしたんだが、焦りのせいか泡銭にしてしまってな……。今度こそ成功させようとあちこちから借りてるうちに、普通のところでは借りられなくなってな……」
「完全に冷静さを欠いてたわけね……。まぁあの状況じゃ仕方ないか……」
紅玲はノートを持って立ち上がる。
「あぁ、お前の言う通りまとめてある」
晶久は立ち上がると、襖を開けて1冊のノートを引っ張り出した。紅玲はノートを受け取ると、全体にざっくり目を通してノートを閉じる。
「会社が会社だから、すごい額だね。父さんひとりじゃ返せそうにないでしょ?」
紅玲の鋭い指摘に、晶久は言葉を詰まらせる。
「ところでどうして父さんが会社の借金背負ってるわけ? 普通は法人と社長個人は別だから、払う必要ないでしょ?」
「本来はそうなんだが、俺は会社の保証人だったからな……
晶久の言葉に紅玲は頭を抱え、晶久は申し訳なさそうに俯く。
「あの……法人とか社長個人とか、どういうこと……?」
今まで黙って聞いていた千聖が、言いづらそうに質問を投げかける。
「法人っていうのは会社そのもののことだよ。社長個人と法人は別人だから、法人である会社が借金を背負っても、個人である社長が返す必要はないんだ」
「えぇと……、つまり、会社の借金は、社長から見たら他人の借金と同じってこと?」
「そういうこと。さすがチサちゃん、理解するのがはやいね」
紅玲は嬉しそうに千聖の頭を撫でる。
(お義父さまの前だっていうのに……)
千聖がやんわりと手をどかすと、紅玲は残念そうにちゃぶ台にひじをつく。
「ちなみに今回の場合、父さんが会社の保証人になっちゃってるから、返済義務が父さんの方に行っちゃってる……。しかも何故か闇金にまで手を出してるから、自己破産もできない」
「ありがとう、よく分かったわ」
「どういたしまして。で、どうして闇金に手を出しちゃったわけ? 父さんらしくもない」
「あぁ、それはだな……」
晶久は口ごもりながら言うと、気まずそうに咳払いをする。
「お前から100万円もらっただろう? あれでFXをしたんだが、焦りのせいか泡銭にしてしまってな……。今度こそ成功させようとあちこちから借りてるうちに、普通のところでは借りられなくなってな……」
「完全に冷静さを欠いてたわけね……。まぁあの状況じゃ仕方ないか……」
紅玲はノートを持って立ち上がる。