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独占欲に捕らわれて*Regret
第2章 紅玲の憂鬱
「それ、借金リスト?」
「そうだよ」
千聖は紅茶を置くと、パソコンを覗き見る。会社名、借金額が分かりやすくリスト化されている。借金額の隣の欄には+100、+200など、不可解な数字が並んでいる。
「この+100とかって数字は?」
「念の為に上乗せして渡す額だよ。普通の会社なら問題ないだろうけど、闇金が3社もあるからねぇ……。あいつら絶対水増しするからさ」
紅玲は苦虫を噛み潰したような顔で言うと、紅茶で口を湿らせる。

「それなら闇金のとこだけ上乗せすればいいんじゃない?」
「保険だよ。一応予備で更に500万くらい持っていくつもりだけどね」
つらつらと並ぶ巨額に、千聖は目眩を覚える。
「ねぇ、そんな大金持ち歩いて、襲われたりしたらどうするわけ?」
「これがあるから大丈夫」
紅玲は椅子にかけたコートのポケットから、警棒を出した。

「何それ?」
「警棒だよ。父さんからの数少ないプレゼント」
「随分おかしなプレゼントね……。どうして警棒だったの?」
「確か、俺が中学生になったばかりの頃だったかなぁ。不審者情報が出回ってて、父さんが自分の身は自分で守れって、これくれたんだよ」
紅玲は懐かしさに目を細め、警棒をくるりと回す。

「普通防犯ブザーじゃない?」
「あっはは、父さんは普通じゃないからねぇ」
そう言って警棒をコートのポケットに戻すと、リストを読み直してから印刷した。
「チサちゃん、そのリストを見ながらお金を分けといてくれる? 物置にある紙袋に分けて、ふせん貼ってほしいんだ」
紅玲は引き出しを開けると、ふせんとボールペンを千聖に手渡す。

「それはいいけど……私も……」
「チサちゃんはお家にいて」
紅玲は千聖の言葉を遮り、切実な眼差しで彼女を見上げる。
「チサちゃんに何かあったら嫌だよ……」
「私だって、紅玲に何かあったら嫌よ」
千聖は紅玲の手を握って訴えかけるが、紅玲は首を横に振る。
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