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独占欲に捕らわれて*Regret
第2章 紅玲の憂鬱
「オレはある程度喧嘩できるけど、チサちゃんは出来ないでしょ? それに、そういう連中にチサちゃんの顔覚えられたくないし」
「そんな危ないところに、紅玲ひとりで行かせたくない……」
「大丈夫だって。お金返せば向こうだって、むやみやたらに暴力ふるったりしないから」
紅玲が安心させようと笑いかけると、千聖は渋々うなずいた。

「絶対無理はしないでね?」
「分かってる。ちゃんと帰ってくるからそんな顔しないで」
「紅玲が大好きな、ホイップ増し増しケーキ作って待ってるわ」
千聖は諦めたようにため息をつくと、力なく笑う。
「うん、お願い」
紅玲が笑顔を貼り付けて言うと、千聖はリストを持って書斎から出る。

「はぁ……」
千聖の足音が聞こえなくなると、紅玲は盛大なため息をつく。千聖や晶久の前では強がっても、ヤクザ達の元へ行くのは気が重い。3件もあるのだから、尚更だ。
「父さんが几帳面な人でよかったよ……」
紅玲は晶久から預かったノートを見ながらつぶく。ノートには会社別に借金の返済や利子の記録が細かく書かれており、闇金に至っては毎日1万円から3万円の利子が追加されたのかキッチリ書き、1週間ごとに借金の合計金額が書かれている。毎日利子があるせいで、どこも借金が増え続けているのを見ると、心が痛む。

「毎日必死で働いても、借金は膨らむばかりじゃ大変だよねぇ……」
紅玲はコピー機の前に立つと、闇金会社のリストだけをコピーした。車の鍵をコートのポケットに突っ込むと、金庫室へ行く。ドアをノックすると、浮かない顔をした千聖がドアを開けてくれる。
「そんな顔してどうしたの?」
「どうしても心配なの。心配するなっていう方が無理よ……。過保護なあなたなら分かるでしょ?」
そう言って千聖は、紅玲に抱きつく。紅玲は優しく抱き返すと、千聖の髪にキスを落とす。

「そうだよね、心配かけちゃってるよね。帰ってきたらめいいっぱい甘やかすから、許して?」
「お義父さまのためだからっていうのは分かってるから、怒ってないわ。仕分けは終わってるから、はやく行ってはやく帰ってきて」
千聖は紅玲を離すと、紙袋が見えやすいように横にずれる。
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