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独占欲に捕らわれて*Regret
第3章 真相探求
「今日はもう帰ろ……。どうせもう、水道局とかも受付やってないだろうし」
紅玲は車に乗ると、明日の予定を決めながら帰宅することにした。途中で千聖が好きなテキーラを購入して帰った。

鍵を開けて家に入ると、見慣れない女物の靴がある。
(優奈ちゃん? にしては地味な気がするけど、チサちゃんを訪ねてくる子なんて他にいないしな……)
「ただいま」
疑問に思いながらも声をかけながらリビングへ行くと、千聖と優奈が紅玲を見上げる。

「おかえりなさい。遅かったのね」
「おかえり、紅玲くん。お疲れ様」
「ただいま、チサちゃん。見慣れない靴があると思ったら、優奈ちゃんだったんだ。雰囲気変わったね」
「まぁね。さてと、私はそろそろ帰ろっかな。お熱い夫婦の邪魔しちゃ悪いし」
「待って」
立ち上がろうとする優奈を、紅玲は呼び止める。

「え?」
「もし時間があったら、もう少しチサちゃんといてもらってもいいかな?」
「紅玲? またどこかに行くの?」
紅玲の頼み事に、千聖は不安げな顔をする。紅玲は安心させようと、微笑みかける。
「ううん、今日はさすがに出かけないよ。でもね、ちょっと書斎に籠らなくちゃいけなくてねぇ……。なんならふたりで外食してきてもいいよ」
「せっかくだし、外食してこようよ」
「えぇ、そうね……」
(ごめんね、チサちゃん……)
寂しそうに返事をする千聖を見て、紅玲は心を痛めながらも、顔に出ないように意識する。

「そうそう、これチサちゃんに買っといたから置いとくよ。お金もここに置いとくから、美味しいもの食べてきて」
そう言ってテキーラと2万円をテーブルの上に置くと、紅玲は書斎へ行く。
「紅玲のバカ……。行きましょ、優奈。こうなったらとことん呑んできてやる……」
「付き合うよ」
千聖は2万円を自分の財布にねじ込むと、優奈と一緒に外へ出た。

「はぁ、探究心は時に罪だよねぇ……」
書斎では、紅玲が罪悪感に苛まれながらも調べごとを進めていく。はやく千聖と愛し合いたいところだが、クレアシオンホールディングスと黒川コーポレーションのことが気になって仕方ない。
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