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独占欲に捕らわれて*Regret
第3章 真相探求
手始めに、黒川コーポレーションについて調べていく。だがネットで調べて分かるのはほとんどが表向きの情報で、目新しい情報は何もない。
「あ、そう言えば黒川社長の接待するって、この前トーマ言ってたっけ……」
うんざりした顔で愚痴を零す親友を思い出し、紅玲は斗真に電話をする。ちょうどスマホを操作していたのか、ワンコールで出てくれた。
『どうしたんだ?』
疲れが滲んだ平坦な声に、紅玲は彼が心配になった。
「ちょっとお願いあったんだけど、なんか疲れてない?」
『疲れてる、のか……? これは……。まぁ、精神的には疲れてるのかもしれない……』
「仕事でなにかあったの?」
普段夜遊びまでしている斗真がここまで疲れを感じさせるのは珍しく、紅玲らしからぬ真面目なトーンで聞く。
『君のそんな声、久しぶりに聞いたな。何、大したことじゃない。この前話した黒川社長の接待、どうも気が重くてな……。ところでお願いってなんだ?』
斗真は茶化すように言うと、本題に入ろうとする。
「実はその黒川社長についてなんだけど……」
『何を引き出せばいい?』
紅玲の言葉を遮るように、斗真は質問を投げかける。その声には心做しか怒気が孕んでいる。
「話がはやくて助かるよ。黒川はたぶん、下世話な週刊誌と繋がってる。ベロンベロンに酔わせて、クレアシオンホールディングスの名前をチラつかせたらベラベラ喋ってくれるんじゃない?」
『週刊誌との関係だな。あとは傘下の子会社に横領事件のことも聞き出しておこう』
(頼もしいなぁ、トーマは)
積極的に協力してくれる親友が嬉しくて、紅玲の口角が自然と上がる。
「嬉しいけど、あんまり無理はしないでね?」
『大丈夫、上手くやるさ。それじゃあ、明日に備えて準備するからそろそろ切るよ』
「分かった。ねぇ、トーマ」
『なんだ?』
「ありがとね、オレと父さんのために怒ってくれて。じゃあね、おやすみ」
礼を告げると、紅玲は電話を切った。
「あ、そう言えば黒川社長の接待するって、この前トーマ言ってたっけ……」
うんざりした顔で愚痴を零す親友を思い出し、紅玲は斗真に電話をする。ちょうどスマホを操作していたのか、ワンコールで出てくれた。
『どうしたんだ?』
疲れが滲んだ平坦な声に、紅玲は彼が心配になった。
「ちょっとお願いあったんだけど、なんか疲れてない?」
『疲れてる、のか……? これは……。まぁ、精神的には疲れてるのかもしれない……』
「仕事でなにかあったの?」
普段夜遊びまでしている斗真がここまで疲れを感じさせるのは珍しく、紅玲らしからぬ真面目なトーンで聞く。
『君のそんな声、久しぶりに聞いたな。何、大したことじゃない。この前話した黒川社長の接待、どうも気が重くてな……。ところでお願いってなんだ?』
斗真は茶化すように言うと、本題に入ろうとする。
「実はその黒川社長についてなんだけど……」
『何を引き出せばいい?』
紅玲の言葉を遮るように、斗真は質問を投げかける。その声には心做しか怒気が孕んでいる。
「話がはやくて助かるよ。黒川はたぶん、下世話な週刊誌と繋がってる。ベロンベロンに酔わせて、クレアシオンホールディングスの名前をチラつかせたらベラベラ喋ってくれるんじゃない?」
『週刊誌との関係だな。あとは傘下の子会社に横領事件のことも聞き出しておこう』
(頼もしいなぁ、トーマは)
積極的に協力してくれる親友が嬉しくて、紅玲の口角が自然と上がる。
「嬉しいけど、あんまり無理はしないでね?」
『大丈夫、上手くやるさ。それじゃあ、明日に備えて準備するからそろそろ切るよ』
「分かった。ねぇ、トーマ」
『なんだ?』
「ありがとね、オレと父さんのために怒ってくれて。じゃあね、おやすみ」
礼を告げると、紅玲は電話を切った。