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第3章 真相探求

「じゃあ夕飯ここで食べてこうかな」
紅玲がメニュー表をめくっていると、冷たい視線が向けられる。紅玲は気付かないふりをして松本を呼び止めた。
「松本くん、軟骨の唐揚げと塩キャベツ。あとごはんとビールもらえる？」
「旦那さんがビールなんて珍しいですね」
松本は注文を書きながら、珍しそうに言う。

「チサちゃんの分だよ。チサちゃんは、他になにかいる？」
「冷奴忘れてるわよ。ついでに枝豆もらえるかしら？」
「冷奴と枝豆追加ですね、分かりました」
注文を書き終えると、松本は小走りで厨房へ行く。

「ごめんね、チサちゃん……。今日あんまり一緒にいてあげられなくて……」
「寂しいけどお義父さまのためだもの、仕方ないわ。それに背中を押したのは私なんだから、落ち着くまでちゃんと待ってるつもりよ」
口では前向きなことを言ってくれるが、千聖の目は寂しそうに揺れる。
「ありがと、チサちゃんのそういう優しいところ、好きだよ。ところで、優奈ちゃんは帰ったの？」
「紅玲がこっちに来るって言ったら、邪魔しちゃ悪いからって帰ったわよ。ご馳走様だって」
「冷奴と枝豆とごはん、お待たせしましたー」
松本はカラになった食器を下げながら、料理を並べていく。

「あとビールもですね」
ビールを千聖の前に置くと、他の客の注文を聞きに行く。
「いただきます」
「ねぇ、ケーキ食べたんじゃなかったっけ？」
冷奴でごはんを食べる紅玲に、千聖は呆れ気味に言う。

「うん、美味しかったよ。おやつと夕飯は別物じゃない？」
「太るわよ？」
「チサちゃんと愛し合ってればカロリー消費するから、問題ないよ」
「もう……」
さらっと恥ずかしいことを言う紅玲に、千聖は頬を染めながらビールを飲み干す。

「ねぇ、明日も忙しいの？」
「忙しいけど、今日よりはいられるはずだよ。それで、明日はチサちゃんにお願いがあるんだけど……」
ふたりは食事をしながら、明日の予定を話し合った。