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独占欲に捕らわれて*Regret
第3章 真相探求
背中に添えた手に水気を感じて見てみると、赤く染まっている。
「自分でも気づかないなんて、重症だなぁ……」
紅玲は困ったように笑うと、手についた血をペロリと舐めた。

夜中の12時、目を覚ました千聖が起き上がろうとすると、紅玲に抱きしめられた。
「きゃっ!? ……起きてたの……」
「チサちゃんがどっか行く気配がしたから、起きちゃった」
「何よそれ……」
イタズラっ子のように笑う紅玲に、千聖は呆れ返る。

「チサちゃんとは片時たりとも離れたくないからね。それで、どうしたの?」
「今は何時かしら? というか、お風呂は……」
「お風呂はオレがちゃんと入れたよ」
「え?」
紅玲に言われて自分の服を見ると、ネグリジェを着ている。

「ありがとう。でも、起こしてくれたらよかったのに……」
「チサちゃんの寝顔を拝めるから、そのままにしちゃった。それに、オレが寝かしつけたようなものだからねぇ」
紅玲がニヤリと笑うと、千聖は耳まで赤くなる。
「寝かしつけたって……。はぁ、まぁいいわ。喉が渇いちゃったから、水でも飲んでくるわ」
「オレも行くよ。はい、どうぞ」
紅玲は千聖を離して起き上がる。千聖も起き上がるが、顔を顰めて自分の背中に触れようとする。

「ごめんね、引っ掻いてたみたい」
「私も気づかなかったわ……。引っ掻いたのはお互い様よ」
「チサちゃんのそういうとこ、好きだよ」
紅玲は千聖を抱き寄せ、頬にキスをする。

「分かったから、はやく水飲んで寝ましょ。明日ははやいんだから」
「はーい」
千聖が照れ隠しでそっけなく言うと、紅玲は笑いを堪えながら返事をする。ふたりは台所に行くと、ミネラルウォーターをグラスに注いで飲む。

「はぁ……明日なんて来なければいいのに……」
「どこのヒロインよ」
ため息をつきながら悲しげに言う紅玲に、千聖は苦笑する。
「だって、また明日もチサちゃんと離れ離れにならなきゃならないんだよ? 寂しくて発狂しそう……」
紅玲はグラスを置き、千聖を抱きしめる。
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