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独占欲に捕らわれて*Regret
第3章 真相探求
「えっと……家電は2階ね。あとは日用雑貨と服と……食料品は最後ね」
行く順番を決めると、千聖はさっそく家電量販店へ行く。駅ビルにあるせいか普通の家電はあまりなく、スマホ関連やカメラの方が圧倒的に多い。お目当ての炊飯器は、店の奥にあった。
「ひとり暮らしだし、小さいのでいいわよね」
1番小さい炊飯器を見つけると、会計を済ませて日用雑貨店へ行く。ここではバスタオルなどを買う予定だ。

「シンプルなものがいいかしら?」
千聖はバスタオルとフェイスタオルをそれぞれ5枚ずつかごに入れると、メンズ用のシャンプーとコンディショナーを眺める。
「よく考えたら、ここから先の買い物って私ひとりじゃ難しいのよね……」
ひとくちにメンズ用と言っても、ノンシリコンやスカルプ系、フケやかゆみ対策の薬用など様々だ。明らかに若者向けのものは論外だが、スカルプ系や薬用を選ぶのも失礼な気がしてしまって、なかなか選べないでいる。

「ここらへんが無難かしら?」
千聖が選んだのは、“肌に優しい”が売り文句のノンシリコンだ。他にも石鹸やボディタオルを買い物かごに入れてレジに並ぼうとしたところで、パジャマを見つけた。シャツタイプの寒色系無地のパジャマを3着かごに入れて、今度こそレジに並んだ。

「そろそろロッカーに置かないとキツいかも……」
いくらカートを使っているとはいえ、かさばるタオルと重たい炊飯器があると動きにくい。千聖はコインロッカーを見つけると、1番大きなロッカーに買ったものを預けた。
次は衣類品を買いに行く。

「どうしたらいいの……」
メンズコーナーで、千聖は途方に暮れる。サイズはあらかじめ紅玲から聞いていたが、どんな服を選んでいいのかまったく分からない。千聖の父親は彼女が幼い頃に亡くなり、絶縁したパパ達は仕事帰りに会っていたため、晶久の年代の男性が、どのようなものを着るのか皆目見当もつかないのだ。
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