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独占欲に捕らわれて*Regret
第3章 真相探求
「それで、僕はどこから聞いていいのかな」
「父さんが下世話なマスコミに目をつけられてるから、こうして変装してる。ちなみにこの前は、借金取りのフリして追い返した」
紅玲が淡々と言うと、斗真は吹き出した。
「名俳優の怪演を見逃してしまったな。……冗談はさておき、辛くないか?」
「正直、よく分からない。1度縁を切ったわけだし、あの時はとっさの判断でしたから。世間じゃ父さんは独身だし、こんな息子がいたなんて知れたら、面倒なことになる。あのド腐れジャーナリストをどうにかするまで、外では他人でいるつもり」
紅玲のこの発言には、千聖も斗真も複雑そうな顔をする。
「そんな顔しないでくれる? オレは別に悲観してるわけでもないから。本当に自分でもよく分かってないだけ」
「だから心配してるんだよ。恐らく、千聖さんも同じ理由で」
「えぇ、そうよ。うまく言えないけど、あなたが辛そうにしてるよりも、分からないって言ってる方が心配よ……」
「そう?」
紅玲が小首を傾げたところで、料理が運ばれてくる。
「料理も来たことだし、本題に入ろうか。斗真、接待はいつ?」
「今夜だよ」
「ちょうど良かった。これ使って」
紅玲はポケットからICレコーダーを取り出すと、斗真の前に置いた。
「あなたいつもこんなの持ち歩いてるの?」
「職業柄ね」
驚いてICレコーダーと紅玲を交互に見る千聖に、紅玲は涼し気な顔をして答える。
「これから買いに行こうと思ってたんだ。おかげで手間が省けたよ」
斗真はポケットにICレコーダーをしまいながら言う。
「これくらいはね。ところで斗真は、どうしてこんな時間にこんなところにいるわけ?」
「黒川社長に手土産を買ってこいって言われて会社を出てるんだ。今日は仕事が立て込んでて昼食も食べられなかったから、こうしてついでにね」
「丁度いいから手土産に盗聴器でも仕込んでおく?」
「そんなものまで持ち歩いてるわけ?」
どんなものが出てくるのかと、千聖は紅玲のポケットを見る。
「父さんが下世話なマスコミに目をつけられてるから、こうして変装してる。ちなみにこの前は、借金取りのフリして追い返した」
紅玲が淡々と言うと、斗真は吹き出した。
「名俳優の怪演を見逃してしまったな。……冗談はさておき、辛くないか?」
「正直、よく分からない。1度縁を切ったわけだし、あの時はとっさの判断でしたから。世間じゃ父さんは独身だし、こんな息子がいたなんて知れたら、面倒なことになる。あのド腐れジャーナリストをどうにかするまで、外では他人でいるつもり」
紅玲のこの発言には、千聖も斗真も複雑そうな顔をする。
「そんな顔しないでくれる? オレは別に悲観してるわけでもないから。本当に自分でもよく分かってないだけ」
「だから心配してるんだよ。恐らく、千聖さんも同じ理由で」
「えぇ、そうよ。うまく言えないけど、あなたが辛そうにしてるよりも、分からないって言ってる方が心配よ……」
「そう?」
紅玲が小首を傾げたところで、料理が運ばれてくる。
「料理も来たことだし、本題に入ろうか。斗真、接待はいつ?」
「今夜だよ」
「ちょうど良かった。これ使って」
紅玲はポケットからICレコーダーを取り出すと、斗真の前に置いた。
「あなたいつもこんなの持ち歩いてるの?」
「職業柄ね」
驚いてICレコーダーと紅玲を交互に見る千聖に、紅玲は涼し気な顔をして答える。
「これから買いに行こうと思ってたんだ。おかげで手間が省けたよ」
斗真はポケットにICレコーダーをしまいながら言う。
「これくらいはね。ところで斗真は、どうしてこんな時間にこんなところにいるわけ?」
「黒川社長に手土産を買ってこいって言われて会社を出てるんだ。今日は仕事が立て込んでて昼食も食べられなかったから、こうしてついでにね」
「丁度いいから手土産に盗聴器でも仕込んでおく?」
「そんなものまで持ち歩いてるわけ?」
どんなものが出てくるのかと、千聖は紅玲のポケットを見る。