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独占欲に捕らわれて*Regret
第3章 真相探求
「さすがにそこまで持ち歩いてないよ」
「サイコパス手前の君なら、持ってても僕は驚かないよ」
「ここでお礼の弾でもあげたいところだけど、生憎手元にないんだ」
「気持ちだけいただいておこう」
ふたりの物騒なやり取りに、千聖は苦笑する。
「物騒ね……」
「昔からだよ。ところで斗真、ここまで協力してくれるってことは、オレに何か頼み事でも?」
「察しがいいな……」
斗真は目を丸くすると、背筋を伸ばした。
「この件が落ち着いたら、君の父親と話をさせてほしい。詳しいことはまだ話せないが、悪い話ではない」
「物好きというか、なんというか……。それくらいなら、構わないよ」
「ありがとう」
斗真が表情を緩めると、彼の電話が鳴った。
「上司からだ……」
斗真はあからさまに嫌そうな顔をすると、電話をしに店の外へ出る。
「ねぇ、黒川コーポレーションを相手に、どうするつもりなの?」
千聖は不安に揺れる瞳を、紅玲に向ける。
「それは斗真の働き方次第だな。今の段階じゃ、なんとも言えない」
「危険なことじゃないでしょうね?」
「そんなことはさすがにしないよ」
紅玲は安心させようと微笑みかけるが、千聖の不安が消えることはない。
「なら、いいんだけど……」
千聖が追求を諦めたところで、斗真が戻ってきた。
「会社に戻って来いって?」
「いや、黒川社長は餡子が好きだから、餡子が美味しい菓子を用意しろって」
斗真はめんどうだと言わんばかりにため息をつく。
「それなら隣のビルの3階に、美味しいどら焼きを売ってる和菓子店が入ってたはず。さっぱりした甘さだし、生地もしっとりしてるから、水分もそんなに持っていかれない。どら焼きにしては、ちょっと高いけど」
「ありがとう、助かるよ。それにしても紅玲は食通だよな。グルメ本でも出したらどうだ?」
「印税生活も悪くないね」
紅玲が冗談めかして言うと、3人で笑った。それから他愛のない話をしながら食事を済ませると、斗真と別れた。
「サイコパス手前の君なら、持ってても僕は驚かないよ」
「ここでお礼の弾でもあげたいところだけど、生憎手元にないんだ」
「気持ちだけいただいておこう」
ふたりの物騒なやり取りに、千聖は苦笑する。
「物騒ね……」
「昔からだよ。ところで斗真、ここまで協力してくれるってことは、オレに何か頼み事でも?」
「察しがいいな……」
斗真は目を丸くすると、背筋を伸ばした。
「この件が落ち着いたら、君の父親と話をさせてほしい。詳しいことはまだ話せないが、悪い話ではない」
「物好きというか、なんというか……。それくらいなら、構わないよ」
「ありがとう」
斗真が表情を緩めると、彼の電話が鳴った。
「上司からだ……」
斗真はあからさまに嫌そうな顔をすると、電話をしに店の外へ出る。
「ねぇ、黒川コーポレーションを相手に、どうするつもりなの?」
千聖は不安に揺れる瞳を、紅玲に向ける。
「それは斗真の働き方次第だな。今の段階じゃ、なんとも言えない」
「危険なことじゃないでしょうね?」
「そんなことはさすがにしないよ」
紅玲は安心させようと微笑みかけるが、千聖の不安が消えることはない。
「なら、いいんだけど……」
千聖が追求を諦めたところで、斗真が戻ってきた。
「会社に戻って来いって?」
「いや、黒川社長は餡子が好きだから、餡子が美味しい菓子を用意しろって」
斗真はめんどうだと言わんばかりにため息をつく。
「それなら隣のビルの3階に、美味しいどら焼きを売ってる和菓子店が入ってたはず。さっぱりした甘さだし、生地もしっとりしてるから、水分もそんなに持っていかれない。どら焼きにしては、ちょっと高いけど」
「ありがとう、助かるよ。それにしても紅玲は食通だよな。グルメ本でも出したらどうだ?」
「印税生活も悪くないね」
紅玲が冗談めかして言うと、3人で笑った。それから他愛のない話をしながら食事を済ませると、斗真と別れた。