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独占欲に捕らわれて*Regret
第3章 真相探求
「もう行くのか」
「明日も来るよ、事情聴取をしに」
「そうか。明日は仕事を入れてないから、どの時間でもいる」
「あの……」
千聖が遠慮がちに口を開くと、晶久は柔らかな笑みを浮かべる。

「千聖さんといったかな? 色々と手間をかけさせてしまったね。ありがとう」
「いえ、いいんです。私は紅玲に言われた通りに買い物しただけですから。私もまた来ます、お体に気をつけて」
「行くよ」
紅玲が苛立たしげに言うと、千聖は会釈をして部屋を出た。

「大丈夫? なんだかイライラしてるみたいだけど……」
「なんとかね。ごめんね、ギスギスしてて……」
紅玲は申し訳なさそうに、千聖の頭を撫でる。
「私は大丈夫よ。今日ははやく帰って休みましょう」
「あぁ、そうだね」
紅玲は気持ちを切り替えるように短く息を吐くと、車を走らせた。

帰宅して千聖が靴を脱ごうとすると、紅玲が後ろから彼女を抱きしめる。
「紅玲?」
「あー……チサちゃん不足で頭おかしくなりそー……」
すっかりいつもの口調に戻った紅玲に、千聖は安堵した。

(きっと、相当無理してたわよね……)
今日の紅玲の行動を思い返し、今夜は彼を甘やかそうと決意する。
「ねぇ、紅玲。そっち向きたいから手を緩めてくれる?」
「やだ」
駄々っ子のように言うと、紅玲は更に強く抱きしめる。

「紅玲」
「んー……キリがないから離すよ……。オレは小道具しまってくるから、お風呂沸かしてもらえる?」
「えぇ、いいわよ」
「ありがと」
紅玲は千聖の耳裏にキスを落とすと、名残惜しそうに彼女を離して2階へ行く。

「嫌な予感がするわ……」
千聖はポツリと呟くと、風呂を沸かしてから台所へ行く。
「昨日の二の舞にならなければいいんだけど……」
不安を口にしながら、紅玲のお気に入りである煎茶を淹れる。和菓子が詰まった菓子入れと一緒にリビングに持っていくと、変装を解いた紅玲が戻ってきた。
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