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独占欲に捕らわれて*Regret
第4章 反撃開始

「そうね、ありがとう」
千聖がピルを手のひらにのせると、紅玲は調理に戻る。
「ねぇ、紅玲」
「なぁに」
「私の夫があなたでよかったって、改めて思うわ。考える時間をくれて、ありがとう」
千聖が感謝の言葉を述べると、紅玲は小さく肩を揺らして振り返る。
「子供を産むのはオレじゃなくてチサちゃんだし、十月十日も心身共に負担がかかるってことくらい分かってるからねぇ。それに、これは子供自身の問題でもあるでしょ? どちらかの意思に反して産まれた子なんて、可哀想だよ」
「確かに、中途半端な気持ちで産んだら可哀想よね」
千聖はどこか吹っ切れたような顔で言う。
「そういうこと。だから難しく考えて、気負わないで」
紅玲は優しく笑いかけながら言うと、食器棚から小さなグラスをいくつか取り出す。千聖は紅玲が立てる物音に耳を澄ませながら、料理ができるのを待った。
しばらくすると、紅玲はふたり分のミルクがゆをテーブルに並べる。自分の分の麦茶も注ぐと、ようやく座る。
「あれ? 他にも何か作ってなかった?」
「食後のデザートだよ。それとも、ミルクがゆ以外にも何か食べたい?」
「これで充分よ。デザート、楽しみにしてるわ」
ふたりはいただきますをすると、他愛のない話をしながらミルクがゆを食べた。
遅めの昼食が終わると、レモンゼリーと紅茶が並べられる。
「美味しそうね、いただきます」
ひと口食べると、程よい酸味と優しい甘みが口の中に広がる。
「こんなに美味しいゼリーまで作れるなんて、天才ね」
「気に入ってくれてよかった」
紅玲はにこやかに言うが、すぐに顔を曇らせる。
「紅玲?」
「これを食べ終わったら父さんのところに行くつもりなんだけど、チサちゃんひとりで大丈夫?」
紅玲は心配そうに千聖を見つめながら言う。
「大丈夫よ、部屋でゆっくり休んで待ってるわ」
「よかった。何かあったらすぐに連絡してね」
「えぇ、そうするわ」
ゼリーを食べ終えると、紅玲は千聖を運ぼうと抱き上げる。
千聖がピルを手のひらにのせると、紅玲は調理に戻る。
「ねぇ、紅玲」
「なぁに」
「私の夫があなたでよかったって、改めて思うわ。考える時間をくれて、ありがとう」
千聖が感謝の言葉を述べると、紅玲は小さく肩を揺らして振り返る。
「子供を産むのはオレじゃなくてチサちゃんだし、十月十日も心身共に負担がかかるってことくらい分かってるからねぇ。それに、これは子供自身の問題でもあるでしょ? どちらかの意思に反して産まれた子なんて、可哀想だよ」
「確かに、中途半端な気持ちで産んだら可哀想よね」
千聖はどこか吹っ切れたような顔で言う。
「そういうこと。だから難しく考えて、気負わないで」
紅玲は優しく笑いかけながら言うと、食器棚から小さなグラスをいくつか取り出す。千聖は紅玲が立てる物音に耳を澄ませながら、料理ができるのを待った。
しばらくすると、紅玲はふたり分のミルクがゆをテーブルに並べる。自分の分の麦茶も注ぐと、ようやく座る。
「あれ? 他にも何か作ってなかった?」
「食後のデザートだよ。それとも、ミルクがゆ以外にも何か食べたい?」
「これで充分よ。デザート、楽しみにしてるわ」
ふたりはいただきますをすると、他愛のない話をしながらミルクがゆを食べた。
遅めの昼食が終わると、レモンゼリーと紅茶が並べられる。
「美味しそうね、いただきます」
ひと口食べると、程よい酸味と優しい甘みが口の中に広がる。
「こんなに美味しいゼリーまで作れるなんて、天才ね」
「気に入ってくれてよかった」
紅玲はにこやかに言うが、すぐに顔を曇らせる。
「紅玲?」
「これを食べ終わったら父さんのところに行くつもりなんだけど、チサちゃんひとりで大丈夫?」
紅玲は心配そうに千聖を見つめながら言う。
「大丈夫よ、部屋でゆっくり休んで待ってるわ」
「よかった。何かあったらすぐに連絡してね」
「えぇ、そうするわ」
ゼリーを食べ終えると、紅玲は千聖を運ぼうと抱き上げる。

