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独占欲に捕らわれて*Regret
第4章 反撃開始

「あ、待って。リビングにスマホがあると思うんだけど……」
「ちょっと見てくる」
紅玲は千聖の髪をひと撫ですると、リビングへ行く。ソファに千聖のカバンが置いてあり、それ以外に彼女の私物は見当たらない。
「勝手に開けるのはよくないよねぇ……」
紅玲はカバンごとリビングに持っていくと、千聖の前に置く。
「ありがとう」
千聖がカバンを抱えると、紅玲は彼女を寝室に運んだ。ベッドに寝かせて毛布をかけると、千聖の柔らかな頬に触れる。
「行ってくるよ」
「気をつけてね。お義父さまによろしくね」
「分かった。出来るだけはやく帰ってくるから」
紅玲は名残惜しそうに千聖の髪にキスをすると、寝室を出た。
紅玲は自室に戻ると、午前中に届いたダンボールを抱えて車に乗る。今から行くと晶久にメールを送ると、車を走らせた。
部屋を訪ねると、昨日とはまるで別人のような晶久が出迎えてくれる。ワイシャツに黒のスラックスとシンプルな服装に、整髪剤でキッチリ整った髪。そしてフチなし眼鏡が嫌味なほどに似合う神経質そうな顔には、覇気が戻っていた。
「やっとオレの知ってる父さんだ。ずっと何か足りないって思ってたけど、眼鏡かけてなかったよね? まさか、眼鏡まで取り上げられたとか?」
紅玲が冗談めかして言うと、晶久は苦虫を噛み潰したような顔をする。
「清掃の仕事をしてる時に割れたんだ。お前が置いていった金で、午前に作らせてもらった」
「そっか、置いといてよかった」
穏やかな笑みを浮かべる紅玲を見て、晶久は不思議そうな顔をする。
「今日は機嫌がいいんだな」
「昨日は余裕がなかったからね。とりあえずこれ、あげる。接続とかは自分でやってね」
紅玲は家から持ってきたダンボール箱を、晶久の前に置く。
「ノートパソコンか?」
「そうだよ。それがあればある程度は自分で稼げるでしょ?」
「助かる。そう言えばまだ、お茶すら出していなかったな」
晶久は思い出したように言うと、台所に行って2リットルの緑茶とふたつのグラスを持ってくる。緑茶をグラスに注ぐと、紅玲の前にひとつ置いた。
「ちょっと見てくる」
紅玲は千聖の髪をひと撫ですると、リビングへ行く。ソファに千聖のカバンが置いてあり、それ以外に彼女の私物は見当たらない。
「勝手に開けるのはよくないよねぇ……」
紅玲はカバンごとリビングに持っていくと、千聖の前に置く。
「ありがとう」
千聖がカバンを抱えると、紅玲は彼女を寝室に運んだ。ベッドに寝かせて毛布をかけると、千聖の柔らかな頬に触れる。
「行ってくるよ」
「気をつけてね。お義父さまによろしくね」
「分かった。出来るだけはやく帰ってくるから」
紅玲は名残惜しそうに千聖の髪にキスをすると、寝室を出た。
紅玲は自室に戻ると、午前中に届いたダンボールを抱えて車に乗る。今から行くと晶久にメールを送ると、車を走らせた。
部屋を訪ねると、昨日とはまるで別人のような晶久が出迎えてくれる。ワイシャツに黒のスラックスとシンプルな服装に、整髪剤でキッチリ整った髪。そしてフチなし眼鏡が嫌味なほどに似合う神経質そうな顔には、覇気が戻っていた。
「やっとオレの知ってる父さんだ。ずっと何か足りないって思ってたけど、眼鏡かけてなかったよね? まさか、眼鏡まで取り上げられたとか?」
紅玲が冗談めかして言うと、晶久は苦虫を噛み潰したような顔をする。
「清掃の仕事をしてる時に割れたんだ。お前が置いていった金で、午前に作らせてもらった」
「そっか、置いといてよかった」
穏やかな笑みを浮かべる紅玲を見て、晶久は不思議そうな顔をする。
「今日は機嫌がいいんだな」
「昨日は余裕がなかったからね。とりあえずこれ、あげる。接続とかは自分でやってね」
紅玲は家から持ってきたダンボール箱を、晶久の前に置く。
「ノートパソコンか?」
「そうだよ。それがあればある程度は自分で稼げるでしょ?」
「助かる。そう言えばまだ、お茶すら出していなかったな」
晶久は思い出したように言うと、台所に行って2リットルの緑茶とふたつのグラスを持ってくる。緑茶をグラスに注ぐと、紅玲の前にひとつ置いた。

