この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
独占欲に捕らわれて*Regret
第4章 反撃開始

「紅玲からだ。もしもし、紅玲。どこにいるんだ?」
『やっほ、トーマ。今帰ってる最中だよ。トーマこそ、今どこにいるの?』
上機嫌な紅玲の声に、斗真は安堵する。
「君の家にいる。もう少しかかるようだから、どこかに行くところだ」
『あと2、3分で着くから家に上がって』
「いいのか? 家に上がっても……」
驚きながら言う斗真を、正確には彼のスマホを、千聖は不思議そうに見た。
『もちろん、チサちゃんからは2メートル離れてね。それじゃ』
電話を一方的に切られると、斗真はスマホをしまって千聖の方へ向き直る。
「あと2、3分で着くから、上がってもいいとのことだ。君とは2メートル離れてだけどね」
「あら、紅玲にしては寛大ね。上がって」
千聖は失笑しながらチェーンを外すと、斗真をリビングに案内する。斗真は紅玲の言いつけ通り、千聖と離れてついて行く。
「お茶を出す時だけは例外ってことにしておきましょう」
紅茶を淹れると、千聖は冗談めかしながら斗真の前に置いた。それとほぼ同時に車のエンジン音が聞こえ、千聖は玄関に行く。車のドアを開け閉めする音が2回聞こえると、すぐに玄関が開いてケーキの箱を持った紅玲が入ってくる。
「ただいま、チサちゃん。これ、お土産。トーマの分もあるから、出してもらっていい?」
「あら、ありがとう」
千聖は台所にケーキを持って行って、箱を開ける。中にはモンブラン、チーズケーキ、いちごのタルトとバラバラだ。
「誰がどれを食べるのよ……」
千聖は困りながら皿にうつし、紅玲と自分の紅茶と一緒にリビングに運ぶ。そこには紅玲の姿がなく、斗真がテーブルに小さなポーチを置いている。
「あら? 紅玲は?」
「こちらには来ていないが……」
ふたりが困惑していると、階段を降りる音が聞こえてくる。
「お待たせ。紅茶淹れてくれたんだ? ありがと」
ノートパソコンを持った紅玲は、斗真の隣に座る。
「ねぇ、誰がどのケーキなわけ?」
「トーマがモンブランで、チサちゃんがチーズケーキ。オレがいちごタルトだよ」
千聖は言われた通りにケーキを並べると、紅玲の隣に座る。
『やっほ、トーマ。今帰ってる最中だよ。トーマこそ、今どこにいるの?』
上機嫌な紅玲の声に、斗真は安堵する。
「君の家にいる。もう少しかかるようだから、どこかに行くところだ」
『あと2、3分で着くから家に上がって』
「いいのか? 家に上がっても……」
驚きながら言う斗真を、正確には彼のスマホを、千聖は不思議そうに見た。
『もちろん、チサちゃんからは2メートル離れてね。それじゃ』
電話を一方的に切られると、斗真はスマホをしまって千聖の方へ向き直る。
「あと2、3分で着くから、上がってもいいとのことだ。君とは2メートル離れてだけどね」
「あら、紅玲にしては寛大ね。上がって」
千聖は失笑しながらチェーンを外すと、斗真をリビングに案内する。斗真は紅玲の言いつけ通り、千聖と離れてついて行く。
「お茶を出す時だけは例外ってことにしておきましょう」
紅茶を淹れると、千聖は冗談めかしながら斗真の前に置いた。それとほぼ同時に車のエンジン音が聞こえ、千聖は玄関に行く。車のドアを開け閉めする音が2回聞こえると、すぐに玄関が開いてケーキの箱を持った紅玲が入ってくる。
「ただいま、チサちゃん。これ、お土産。トーマの分もあるから、出してもらっていい?」
「あら、ありがとう」
千聖は台所にケーキを持って行って、箱を開ける。中にはモンブラン、チーズケーキ、いちごのタルトとバラバラだ。
「誰がどれを食べるのよ……」
千聖は困りながら皿にうつし、紅玲と自分の紅茶と一緒にリビングに運ぶ。そこには紅玲の姿がなく、斗真がテーブルに小さなポーチを置いている。
「あら? 紅玲は?」
「こちらには来ていないが……」
ふたりが困惑していると、階段を降りる音が聞こえてくる。
「お待たせ。紅茶淹れてくれたんだ? ありがと」
ノートパソコンを持った紅玲は、斗真の隣に座る。
「ねぇ、誰がどのケーキなわけ?」
「トーマがモンブランで、チサちゃんがチーズケーキ。オレがいちごタルトだよ」
千聖は言われた通りにケーキを並べると、紅玲の隣に座る。

