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独占欲に捕らわれて*Regret
第4章 反撃開始

千聖がそっと手を重ねると、少しだけ震えが治まった。
『それでその後は週間スキャンダルの記者に、子会社を切り離したのはやり過ぎだ、鈴宮は疑心暗鬼になって、誰も信用してないという記事を書かせたんだ』
『記者とも繋がりがあるなんて、凄いですね。その記者さん、どんな方なんですか?』
ヨイショを続ける斗真に気を良くしたらしく、黒川の笑い声は止まらない。
『及川大介といってな、奴は薄汚れたネズミだよ。金さえやれば、なんでもやる男だ!』
『そんな人を見つけるなんて、さすが黒川社長。それで、その後はどうしたんですか?』
『他の子会社にも不正をさせたり、中には本当に不正をしてるところもいくつかあったがな。それと、クレアシオンは実は倒産寸前だと言って引き抜いたりもした。そうそう、これが、くくっ、これが1番傑作なんだがな……』
何がおかしいのか黒川は笑い続け、なかなか先に進まない。
「何よこの酔っ払っい」
「まぁまぁ。ところでトーマ、どうしてここカットしなかったの?」
紅玲は千聖をなだめて質問すると、斗真は神経質そうにメガネをかけ直す。
「カットしない方が、黒川のクズ加減が分かりやすいと思ったんだ」
(意外とねちっこいよねぇ……)
紅玲は内心失笑しながら、そうと返した。
『クレアシオンの幹部に、佐竹という男がいてな。こいつに社内留保を横領させて、秘書の夏川に濡れ衣を着せたんだよ』
黒川のこの言葉で、鈴宮夫妻の手に力が入る。
「ふざけんな……」
聞いたことのない低い声に驚いて顔を上げると、紅玲は鋭く冷たい目をパソコンに向けている。
『バレなかったんですか』
『だからこうして君と話をしているんじゃないか』
黒川の不快な大笑いが、リビングに響き渡る。
『鈴宮の奴、偽装した証拠を信じ込んで、涙ながらに無罪を主張した夏川をクビにしたんだ。人間不信で秘書も雇えなくなって、手が回らなくなって倒産。これが真実なんだよ』
音声は黒川の高笑いの途中で止まった。
『それでその後は週間スキャンダルの記者に、子会社を切り離したのはやり過ぎだ、鈴宮は疑心暗鬼になって、誰も信用してないという記事を書かせたんだ』
『記者とも繋がりがあるなんて、凄いですね。その記者さん、どんな方なんですか?』
ヨイショを続ける斗真に気を良くしたらしく、黒川の笑い声は止まらない。
『及川大介といってな、奴は薄汚れたネズミだよ。金さえやれば、なんでもやる男だ!』
『そんな人を見つけるなんて、さすが黒川社長。それで、その後はどうしたんですか?』
『他の子会社にも不正をさせたり、中には本当に不正をしてるところもいくつかあったがな。それと、クレアシオンは実は倒産寸前だと言って引き抜いたりもした。そうそう、これが、くくっ、これが1番傑作なんだがな……』
何がおかしいのか黒川は笑い続け、なかなか先に進まない。
「何よこの酔っ払っい」
「まぁまぁ。ところでトーマ、どうしてここカットしなかったの?」
紅玲は千聖をなだめて質問すると、斗真は神経質そうにメガネをかけ直す。
「カットしない方が、黒川のクズ加減が分かりやすいと思ったんだ」
(意外とねちっこいよねぇ……)
紅玲は内心失笑しながら、そうと返した。
『クレアシオンの幹部に、佐竹という男がいてな。こいつに社内留保を横領させて、秘書の夏川に濡れ衣を着せたんだよ』
黒川のこの言葉で、鈴宮夫妻の手に力が入る。
「ふざけんな……」
聞いたことのない低い声に驚いて顔を上げると、紅玲は鋭く冷たい目をパソコンに向けている。
『バレなかったんですか』
『だからこうして君と話をしているんじゃないか』
黒川の不快な大笑いが、リビングに響き渡る。
『鈴宮の奴、偽装した証拠を信じ込んで、涙ながらに無罪を主張した夏川をクビにしたんだ。人間不信で秘書も雇えなくなって、手が回らなくなって倒産。これが真実なんだよ』
音声は黒川の高笑いの途中で止まった。

