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独占欲に捕らわれて*Regret
第4章 反撃開始

「僕も手伝おう」
「ありがと、そう言ってくれるって信じてたよ」
紅玲がにっこり微笑むと、斗真はやれやれと言わんばかりにため息をついた。
「どうせなら、私達と斗真は違うところでやった方がいいわよね?」
「僕は会社がある街と、ここから4駅離れたところでばら撒いておこう」
「俺達はそれ以外のところをデートしよっか」
(なるほど、デートってこういうことだったのね)
ようやく腑に落ちた千聖は、返事をした。
「では僕はそろそろ帰るよ」
「お疲れ様」
「気をつけて帰ってね」
ふたりは斗真を見送ると、台所で食器を洗う。
「ね、今夜は居酒屋にでも行こうよ」
「あら、珍しいわね。紅玲から誘うなんて」
千聖は驚いて紅玲を見上げる。カシスオレンジ1杯で酔ってしまう紅玲は、自分から居酒屋に行こうとすることがほとんどない。月に1度付き合う程度だ。
「まぁね。明日はデートと言っても、普通に楽しめないだろうから。だから、今夜は好きなだけお酒呑んでほしくて。お店も、チサちゃんが好きなところでいいよ。呑み屋なら、オレよりチサちゃんの方が詳しいでしょ?」
「ありがとう。どこにしようかしら?」
千聖は脳内の居酒屋リストをパラパラと捲りながら、洗いものを終わらせた。
ふたりは支度をして外に出ると、腕を組んで歩く。
「ホテル街の近くに、ピザが美味しいカジュアルバーがあるの。服装も気にすることないし、普通のバーみたいに堅苦しい雰囲気もないからなかなかいいわよ。それに、ノンアルのカクテルもたくさんあるから、紅玲も楽しめると思うの」
「それは楽しみだなぁ。せっかくだし、ホテルに泊まってく?」
「たまにはいいかもしれないわね」
ふたりは冗談めかして言い合うと、カジュアルバーへ向かう。
家から徒歩10分のところに、その店はあった。店内に入ると中年層と若者が半々で、アットホームな雰囲気だ。ふたり掛けのテーブル席に案内されると、1冊のメニュー表をテーブルの中央で開いた。
「バーっていうと食べ物あんまりないイメージだけど、ここは結構あるんだね」
紅玲は物珍しいものでも見るように、メニュー表をめくる。
「ありがと、そう言ってくれるって信じてたよ」
紅玲がにっこり微笑むと、斗真はやれやれと言わんばかりにため息をついた。
「どうせなら、私達と斗真は違うところでやった方がいいわよね?」
「僕は会社がある街と、ここから4駅離れたところでばら撒いておこう」
「俺達はそれ以外のところをデートしよっか」
(なるほど、デートってこういうことだったのね)
ようやく腑に落ちた千聖は、返事をした。
「では僕はそろそろ帰るよ」
「お疲れ様」
「気をつけて帰ってね」
ふたりは斗真を見送ると、台所で食器を洗う。
「ね、今夜は居酒屋にでも行こうよ」
「あら、珍しいわね。紅玲から誘うなんて」
千聖は驚いて紅玲を見上げる。カシスオレンジ1杯で酔ってしまう紅玲は、自分から居酒屋に行こうとすることがほとんどない。月に1度付き合う程度だ。
「まぁね。明日はデートと言っても、普通に楽しめないだろうから。だから、今夜は好きなだけお酒呑んでほしくて。お店も、チサちゃんが好きなところでいいよ。呑み屋なら、オレよりチサちゃんの方が詳しいでしょ?」
「ありがとう。どこにしようかしら?」
千聖は脳内の居酒屋リストをパラパラと捲りながら、洗いものを終わらせた。
ふたりは支度をして外に出ると、腕を組んで歩く。
「ホテル街の近くに、ピザが美味しいカジュアルバーがあるの。服装も気にすることないし、普通のバーみたいに堅苦しい雰囲気もないからなかなかいいわよ。それに、ノンアルのカクテルもたくさんあるから、紅玲も楽しめると思うの」
「それは楽しみだなぁ。せっかくだし、ホテルに泊まってく?」
「たまにはいいかもしれないわね」
ふたりは冗談めかして言い合うと、カジュアルバーへ向かう。
家から徒歩10分のところに、その店はあった。店内に入ると中年層と若者が半々で、アットホームな雰囲気だ。ふたり掛けのテーブル席に案内されると、1冊のメニュー表をテーブルの中央で開いた。
「バーっていうと食べ物あんまりないイメージだけど、ここは結構あるんだね」
紅玲は物珍しいものでも見るように、メニュー表をめくる。

