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独占欲に捕らわれて*Regret
第4章 反撃開始

(この癖が抜けてないなんてね……)
千聖は内心苦笑しながら紅玲を待つ。
「おまたせ、行こっか」
「えぇ」
どうやらエレベーターは既に1階にあったらしく、千聖がボタンを押したらすぐに開いた。
「ねぇチサちゃん。前々から気になってたんだけど、聞いていい?」
「何かしら?」
ドアが閉まると、紅玲は珍しく遠慮がちに口を開く。
「オレが受付してる間、どうして少し離れたところにいるの?」
「あぁ……、昔からのクセなのよね」
千聖がこれから説明をしようとしたところで、ドアが開いた。
「部屋に入ってから話すわ」
「そうだね」
「今日はどんな部屋なのかしら?」
千聖はワクワクしながら、紅玲の隣を歩く。このホテルは非日常の愛をテーマにしており、各部屋はテーマ別でこだわった内装をしている。
「ここだよ」
紅玲は鍵を差し込み、ドアを開ける。中に入ると鮮やかな赤が広がっている。キングサイズもネッドを置いても広々とした空間、赤と黒を基調とした和風の調度品の数々……。部屋の4分の1は畳で、時代劇を思わせる肘置きっや座布団、キセル盆がある。
「懐かしいわね……」
千聖は目を細めて室内を見回す。この部屋は契約期間に初めてふたりが躯を重ねた部屋だ。
「初めてチサちゃんを抱いた部屋。あの時はすっごく嫌われてたっけなあ。それでも抱いたら驚くほど乱れてくれて、1回だけで失神しちゃってたよねぇ」
紅玲が肩を抱いて耳元で言えば、千聖は耳まで赤くなる。
「む、昔の話でしょ? 忘れてよ、もう……」
「やだ、忘れないよ。チサちゃんとのことはぜーんぶ覚えてたいんだよ。この部屋は、初めてチサちゃんに背中を引っ掻いてもらった部屋でもあるんだよねぇ。ホント、懐かしいなぁ」
「お風呂、沸かしてくるわ」
千聖は腕を振りほどくと、早歩きで風呂場に逃げる。
「ああいうところ、ホント変わらないなぁ」
千聖の背中を見ながら小声で呟くと、コンビニボックスでミネラルウォーターとお茶を購入して畳に座った。
千聖は内心苦笑しながら紅玲を待つ。
「おまたせ、行こっか」
「えぇ」
どうやらエレベーターは既に1階にあったらしく、千聖がボタンを押したらすぐに開いた。
「ねぇチサちゃん。前々から気になってたんだけど、聞いていい?」
「何かしら?」
ドアが閉まると、紅玲は珍しく遠慮がちに口を開く。
「オレが受付してる間、どうして少し離れたところにいるの?」
「あぁ……、昔からのクセなのよね」
千聖がこれから説明をしようとしたところで、ドアが開いた。
「部屋に入ってから話すわ」
「そうだね」
「今日はどんな部屋なのかしら?」
千聖はワクワクしながら、紅玲の隣を歩く。このホテルは非日常の愛をテーマにしており、各部屋はテーマ別でこだわった内装をしている。
「ここだよ」
紅玲は鍵を差し込み、ドアを開ける。中に入ると鮮やかな赤が広がっている。キングサイズもネッドを置いても広々とした空間、赤と黒を基調とした和風の調度品の数々……。部屋の4分の1は畳で、時代劇を思わせる肘置きっや座布団、キセル盆がある。
「懐かしいわね……」
千聖は目を細めて室内を見回す。この部屋は契約期間に初めてふたりが躯を重ねた部屋だ。
「初めてチサちゃんを抱いた部屋。あの時はすっごく嫌われてたっけなあ。それでも抱いたら驚くほど乱れてくれて、1回だけで失神しちゃってたよねぇ」
紅玲が肩を抱いて耳元で言えば、千聖は耳まで赤くなる。
「む、昔の話でしょ? 忘れてよ、もう……」
「やだ、忘れないよ。チサちゃんとのことはぜーんぶ覚えてたいんだよ。この部屋は、初めてチサちゃんに背中を引っ掻いてもらった部屋でもあるんだよねぇ。ホント、懐かしいなぁ」
「お風呂、沸かしてくるわ」
千聖は腕を振りほどくと、早歩きで風呂場に逃げる。
「ああいうところ、ホント変わらないなぁ」
千聖の背中を見ながら小声で呟くと、コンビニボックスでミネラルウォーターとお茶を購入して畳に座った。

