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ハイパーテクニックおじいちゃん
第15章 最後の晩餐
寛は食べ終えると、部屋の様子を眺めた。
「だいぶ荷物が片付いたね」
ダンボールだらけで、ほぼ、物という物が無い。
そんな中、ふと、クマのぬいぐるみに気がついた。
「このお人形はどうするんだい?」
「持って行かないで、売っちゃおうかと思っているけど。どうしようかな?」
「じゃあ、俺が貰っちゃおうかな」
寛がぬいぐるみを抱き寄せながら言った。
「え!?」
また突拍子もない事を言う。
まあそれが、寛という人の魅力なんだなぁと、今更ながらに気がついた。
「美里ちゃんの形見。大事にするよ」
元彼からのプレゼントなのだが……、そんな余計な事は言わないでおこう。
「ありがとう。大切にしてね」
「毎日一緒にねんねするよ」
ぬいぐるみにキスをする。
「寛さんの天国の元カノ、嫉妬しちゃうんじゃない?」
寛はキョトンとした。
「ああ、そんな人もいたなぁ。すっかり忘れていたよ。美里ちゃんに夢中で。俺がもう少し若かったらなぁ。美里ちゃんにプロポーズしてたんだけど」
……そんなに自分の事を気に入っていたのか。
美里は嬉しくもあったが、少し複雑な思いがした。
寛の独り言が続く。
「最後の恋だろうなぁ。結局、結婚しないで人生終わったなぁ」
美里はふと、先日寛と一緒に行った小料理屋の女将を思い出した。
あの、嫉妬のような視線。
寛も同年代の女性とだったら結婚する可能性はあるのではないかと、美里は思った。
「新しい彼氏には幸せにしてもらうんだよ。変なヤツと付き合ったら、おじさんが許さないからね」
そう言うと、再び美里に抱きついた。
「だいぶ荷物が片付いたね」
ダンボールだらけで、ほぼ、物という物が無い。
そんな中、ふと、クマのぬいぐるみに気がついた。
「このお人形はどうするんだい?」
「持って行かないで、売っちゃおうかと思っているけど。どうしようかな?」
「じゃあ、俺が貰っちゃおうかな」
寛がぬいぐるみを抱き寄せながら言った。
「え!?」
また突拍子もない事を言う。
まあそれが、寛という人の魅力なんだなぁと、今更ながらに気がついた。
「美里ちゃんの形見。大事にするよ」
元彼からのプレゼントなのだが……、そんな余計な事は言わないでおこう。
「ありがとう。大切にしてね」
「毎日一緒にねんねするよ」
ぬいぐるみにキスをする。
「寛さんの天国の元カノ、嫉妬しちゃうんじゃない?」
寛はキョトンとした。
「ああ、そんな人もいたなぁ。すっかり忘れていたよ。美里ちゃんに夢中で。俺がもう少し若かったらなぁ。美里ちゃんにプロポーズしてたんだけど」
……そんなに自分の事を気に入っていたのか。
美里は嬉しくもあったが、少し複雑な思いがした。
寛の独り言が続く。
「最後の恋だろうなぁ。結局、結婚しないで人生終わったなぁ」
美里はふと、先日寛と一緒に行った小料理屋の女将を思い出した。
あの、嫉妬のような視線。
寛も同年代の女性とだったら結婚する可能性はあるのではないかと、美里は思った。
「新しい彼氏には幸せにしてもらうんだよ。変なヤツと付き合ったら、おじさんが許さないからね」
そう言うと、再び美里に抱きついた。