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先生…好きです
第1章 プロローグ

卒業したらって事は……

「お、OKって事ですか!?本当に付き合ってくれるんですか!?」
「……落ち着けって。卒業してからだよ」
「卒業したら、付き合ってくれるんですか?」
「そうだね…今は気持ちに応えられなくて残念だけど…ここの生徒じゃ無くなったらいいよ」

絶望で覆われて苦しかった胸中は、霧が晴れたかのようにスッキリした。
先生にもっと近付こうとすると、手を伸ばして制止された。

「今はダメ。まだ付き合ってないんだから、勉強の事以外で手が届く範囲まで近付いちゃダメ」
「ダメなんですか…」
「……そうだ」

告白に関して、好意的な返事をもらえただけでも良しとしよう。
でも、先生に近付けない苦しみは卒業まで続くんだ…

「しかし、ビックリしたなー。まさか速水さんに告白されるなんて…」
「私って割とすぐ行動する派なんです。告白、卒業まで待てなくてごめんなさい…」
「……そろそろ教室に戻れよ。皆に不審がられるぞ?」
「そうだった…あ、先生ありがとうございました」
「ん…」

ペコッと頭を下げて、視聴覚教室を後にした。


「…あれくらいの年齢の子なら、卒業までに恋する気持ちなんて移り変わるだろ…」



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