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第8章 第三試験

ロロットが敗退し、屋敷から出ていった翌朝。

ベッドで眠る翔太に二人の影が近づいていた。

「朝よっ!!　さあ起きて翔太っ!!」

勢いよく布団をひっぺがしたのは幼なじみの許嫁、天谷聡子だ。

「起きてくださいませっ!!　アベル様っ!!」

そう叫びながら寝ている翔太の上に西尾梨華が飛び乗る。

「ぐはっ!?」

いきなり飛び乗られた翔太は呼吸困難になりながら変な声をあげた。

「おはようございますっ!!　アベル様ぁ」

梨華はすりすりと翔太に頬擦りをしながら甘える。

「ちょっ……ちょっと梨華ちゃんっ!!　ズルいわよっ!!」

いきなり顔の前の特等席を奪った梨華に天谷がキレる。

「早い者勝ちですっ!!」

「ダメっ!!」

天谷は梨華の脇を掴んで持ち上げて退かせると自らが翔太の上に乗っかった。
猫目の幼なじみの顔が間近に迫り翔太はどぎまぎしてしまう。