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許嫁が多すぎる
第8章 第三試験
快楽の余韻に微睡んだ三人であったが、いつまでもそうしてのんびりもしていられない。

梨華と天谷は乱れた服装を直し、翔太も着替えて朝食のためにダイニングへと向かう。

顔も洗って情事の跡を消したつもりでいた翔太だったが、ダイニングに入るなりさくらはハッとした顔をして翔太を見た。
証拠とか痕跡ではなく、恋人としての直感だった。

しかし次の瞬間、さくらは何事もなかったように「おはよう」と翔太に笑いかけてきた。
多少の後ろめたさはあったが翔太も「おはよう」と返した。
せっかくさくらが耐えてくれているのに動揺してはいけないと翔太は感じていた。

朝食が運ばれてくる最中、執事長が翔太に説明をした。

「今朝はお世話係が二人おりましたが、これからはそのように変則的に人数が変化して翔太様のお世話をさせていただきます。よろしくお願い致します」

「そう……わかった」

反論しても無駄と知っている翔太はサラっと返事をする。

四人の許嫁たちは静かに対抗心を燃やしながら互いの顔を見合わせた。

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