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第10章 三日目

「そんなことないよ。考えすぎ。しょうがないじゃん。成り行き上こうなっちゃったわけだし……でも、どうせするなら本気で誰を選ぶか、考えて……」

「聡子……」

「考えた結果、さくらさんなら仕方ない……けど、最初からさくらさんだけを見るのはやめたら？　あ、あたしじゃないかもしれないけど……よく選んで翔太が決めたらいいよ」

ロロットにも言われた言葉を再度言われ、翔太の中の罪悪感が少し和らぐ。

「はい、おしまい。座ってて。もう少しで出来るから」

「ああ。ありがとうな、聡子」

「どういたしまして。あたしは誰より翔太を知ってるんだから」

天谷が作ったのは焼きそばだった。
確かに大して手間のかからないものだし、切られた野菜の大きさはまちまちだったし、生焼けを避けた火の通り過ぎた具材はくてっとしてい。

でもそれが天谷らしくて翔太には嬉しかった。
下手くそでも懸命に作ってくれる天谷の気遣いに感謝していた。