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第1章 許嫁増殖

「有馬、翔太？」

不意に呼びかけられ翔太は振り返った。
そこには見たこともない女性が立っていた。

明るめの髪を綺麗にカールさせ、西洋人形のような印象を与える風貌だった。
パッチリとした二重にすっと通った鼻筋、白く透き通った肌。それに豊満なバストにも男性であれば思わず目がいってしまうところだった。

千樹さくらとは対極的である派手な美しさを持ったその女性は翔太の顔を見ると表情をぱぁあっと明るく変えた。

「あ、えと……どちら様、でしたっけ？」

「翔太っ！　会いたかったですっ！」

感極まった様子でその美少女は翔太に抱きついてきた。

「なっ……!?」

いきなりのことに翔太もさくらも言葉を失う。
ふくよかな乳房がむにゅっと押し当てられた翔太は特に硬直してしまい動けなかった。

「だ、誰なのっ!?　翔太くんっ！」

「し、知るかよっ！　俺が聞きたいわっ!!」

翔太は慌てて引き剥がすようにその美少女を押し戻した。

「はじめまして。私、沢木ロロットですっ！　翔太の許嫁ですっ！」

「はぁあ!?」

翔太とさくらは一斉に声を上げた。