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第3章 脱出不可!?

しばらくすると再びドアがノックされ、翔太はイラッと布団をはねのけた。

「いい加減にしろっ！　体調不良だって言っただろうっ！」

体調が悪いものとは思えない怒声を上げて翔太は部屋のドアを開けた。

「翔太君っ……」

「さ、さくらっ！」

ドアをノックしていたのはメイドではなく、翔太の恋人のさくらであった。
慌ててさくらを部屋に入れてドアを閉めて内側から鍵をかけた。

「どうしたのさくら」

「翔太君っ！」

さくらは翔太に抱きついて胸元に顔をうずめて泣いた。

「さ、さくら……」

「もうやだよ……逃げよう、翔太。私もう耐えられないっ」

いつもは気丈なさくらが肩を震わせて嗚咽するのを見て翔太の胸がグッと熱くなる。

「わかった。逃げよう」

ぎゅっと抱きしめてやりながら翔太はそう告げた。