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許嫁が多すぎる
第6章 選択肢
翔太が納得するとロロットは手付かずのカップを片付けて立ち上がった。

「まあ、ゆっくり考えたら?」

「ああ……ありがとう……ロロット」

「どういたしまして」

ロロットはティーセットを乗せたワゴンを押しながら部屋を出ていった。
二人きりになるチャンスのお世話タイムにも性的なことを無理強いをしてこないロロットに翔太は感謝していた。


夕食まで時間をもて余した翔太は一人で庭園の散歩に出掛けることにした。
この屋敷に来てからは一人になる時間さえほとんどなかった翔太にとってはじめてのプライベートな時間となった。

有馬邸の庭は洋館の建物に似合うイングリッシュガーデンだった。
たくさんのハーブが生い茂り、整いすぎてない素朴な美しさに心を惹かれる。

翔太はベンチに座り、一人の庭師の老人が手入れする様を眺めていた。

「悩んでるな……」

庭師は作業の手を止め、翔太に近付いてくる。

「えっ……あ、まぁ……」

「若いうちは悩むことばかりだ……しかしな、青年。悩むということはいいことだ。必ず将来お前さんの役に立つ」

庭師はニッと笑い、再び作業へと戻っていった。


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