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第6章 選択肢

「そんなこと言ったってこんな状況だ。さくらが狙われるのは明白だろ!?」

「そうだけど……証拠がない限り、言っても無駄だと思う……それに……」

「それに？」

「悔しいじゃない……こんなことで逃げ出すのって……」

さくらの瞳には強い怒りと意思が宿っていた。

その目を見て、翔太はしまったと感じる。

さくらは人一倍負けん気が強い性格ということを翔太は失念していた。

さくらの純和風でおっとりとした美少女の外観は、一見すると気の弱そうな印象を受ける。

しかし実は結構勝ち気な性格で、喧嘩をしても折れることはない気の強さがあった。
この状況でその負けん気の強さが出てくる可能性を翔太は失念していた。