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永遠
第18章 底なし沼
永遠に終わらない性愛というものがあるのを碧は初めて知った。

しても、しても、まだ相手が欲しい。
何度果てても、愛する男の体温を感じ、その声を耳にするたび、身体が息を吹き返すのだ。

「まるで底なし沼のようだ。君の身体は…」

村瀬は半ば絶望的にさえ聞こえる声でそうつぶやく。

碧も村瀬自身が中に入ってくるたびに、自然とそこが収縮し、まるで相手を食いちぎろうとするかのように変化することに気づいていた。

夫とのセックスでは一度も得られたことのない変化。

バスルームで泡まみれになりながら愛し合い、コーヒーを入れるキッチンでは立ったまま交わり、洗面台で化粧を直す碧を半ば犯すように村瀬は後ろから貫いた。

そして日付が変わろうとする寸前、ようやく碧は身体と心を引き裂かれるような痛みを引きずりつつ帰りのタクシーに乗り込んだのだった。
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