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魔王様の寵愛
第2章 魔王様、溺愛する

小鳥の可愛らしい鳴き声に目を覚まし、まだ少しぼんやりする頭。生活習慣と言うものは癖のように染み付いて、なかなか直せる事は難しい。と、言うのも、私は起きて直ぐに仕事の支度をする為に頭が寝ていても行動に出なければ、と無理矢理ベッドから降りるのだ。
ハッキリ言おう。
私は朝がめちゃくちゃ弱い。ぼーっとしながらお弁当作る物だからたまに火傷もするし、コーヒーに塩を入れた事もある。ここが何処で自分はどうしたのか忘れたまま、フラフラとおぼつかなく危なっかしい足取りで歩き、何が言いたかったかと言えば、転けのだ。そりゃぁもう、盛大に。いい大人なが何も無い床で転ぶというのは、とても恥ずかしい事で···。
「!!?···ッッ、ビックリしたぁー···、···。?」
何の床で出来ているかわからない床にベターン!とした音が響いて、瞬間、一気に目が覚めた。視界に映る部屋の景色よりも、見られていなかったかどうかの方が最優先の私は、そそくさと立ち上がりキョロキョロと周りを見渡した。
「···。はぁー···」
幸いにも周りには人はいないようで、安堵の息を吐いた。しかしー···、ここは何処だろ。いつの間にか、ワンピース?ネグリジェっぽい物に着替えさせられているし、ブラもしていないようで、胸のちょっとした締め付けが感じられない。ここは何処だろと歩き回っていると。
「今しがた物音がしましたが、お怪我は···」
「えっ?···」
どこかで見かけたような、執事の格好をした男性が入って来た。私の寝起き姿を見たからだろうか。深いため息をつかれた。え、私、何かした!?
「はぁ、···そのようなお姿でベッドから出られるとは」
「姿?···っ、ッッ!!?いやぁっ!!」
彼は白い手袋をした手で額を押さえ、やれやれと言ったように全身が写る姿見を指さした。つられるように姿見を見れば、ネグリジェは白く透き通り、私の裸体が写し出されていたのだ。

